ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト: 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルヒトのなかの魚、魚のなかのヒト: 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
発売日販売日未定
製作者ニール シュービン
販売元早川書房
JANコード9784150503925
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 動物学

購入者の感想

本書は、2004年(発表は2006年)にカナダ北部で発見され話題となった化石――魚類から四肢動物への進化過程を示すと評価された、デボン紀(およそ3億7500万年前)に生息していたとされる――「ティクターリク」(Tiktaalik)の発見者(の1人)の手によるものである。タイトルの『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』は些か暗示的だが結論から言ってしまうと、「ティクターリク」の前鰭に見える肩、上腕、前腕、手首などの生物的各器官(進化)は人類まで生物学的(遺伝子的)に関係しており、「魚のなか」にも「ヒトのなか」にも相互に遺伝的・機能的起源性があるといった比喩(趣旨)であろうと推察する。

具体的内容は、前記「ティクターリク」の発見までの些か冗長な苦労譚から始まる。当初抱いていた古生物学的解説と異なり期待を削がれて食傷気味な印象から途中放棄しそうになったが、第2章からはうって変わって実証的研究成果や遺伝子工学等を援用し、人類との進化論的(起源)対象器官を「ティクターリク」の前肢から、魚類を前提としつつも種々の各器官(耳・鼻・目など)へと視点を拡張していく。特に印象的なのは、発生学的考察で魚類と人類(受精後23〜28日辺り)の「鰓弓」の類似性等を論じる第5・6章における著者の認識が象徴的で、解説と図説ともに説得力がある。タイトルの趣旨は読み進むにつれて明らかになっていくが、各考察の重点箇所では図解や写真も適宜使用されており、一般読者を充分に意識した構成である。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト: 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アマゾンで購入する
早川書房から発売されたニール シュービンのヒトのなかの魚、魚のなかのヒト: 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)(JAN:9784150503925)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.