宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学: イスカンダルへの航海で明かされる宇宙のしくみ の感想

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参照データ

タイトル宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学: イスカンダルへの航海で明かされる宇宙のしくみ
発売日販売日未定
製作者半田 利弘
販売元誠文堂新光社
JANコード9784416114780
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般

購入者の感想

 高校時代にオリジナルヤマトを見て育った、大のヤマトファンです。2199もすべてブルーレイで購入し、4回も見ています。映画「星巡る箱船」も3回鑑賞しました。
 穴の空くほどヤマトを見た私ですが、こんな視点では考えたこともありませんでした。筆者は天文学者ということですが、これは天文学だけでなく、物理学への入門書ですね。
 波動砲やワープ航法の実現可能性のみならず、実在する天体、星雲などの解説もうなづけます。ヤマトの世界観をより深く理解できるようになりました。「2199」は荒唐無稽な話ではなく、できうる限り科学の裏付けをもって創作されているのだなと感心しました。
 また、ほぼオールカラーというのも、ヤマトファンにはうれしいところです。ファンブックとしても手元に置いておきたい作品です。
 「2199」の続編を期待していますが、よりリアルに、科学的根拠に基づいた作品になることを祈っています。

本書の大きさはB6版の少し天地が長めのサイズで、しっかりと厚い紙質。
わずかに図解解説等で数色のページが多少あるだけで、ほぼオールカラーです。
劇中の映像画像が、ほとんどのページかと思う位に多く掲載されている点は意外でした。

本書は同作品の科学考証の天文学者の方によるもので文面は語るように分かりやすい。
ただ単に考証担当としてだけではなく、作品にも想い入れを感じられる部分がありますね。
アニメの映像を観て著者なりの解釈が語られている所からも、それらを感じます。

内容的には作品の各エピソードに沿いつつ、そのつど登場する天体やSF的な設定を解説。
各項目別にもなっていて「実在」或いは「架空」と記されています。
例えばホンの一部ですが「実在」は太陽系、地球、火星、木星、エンケラドゥス、冥王星などで
「架空」はワープ、浮遊大陸、波動砲、波動防壁、遊星爆弾、反射衛星砲といった具合。

メカ要素は、ほぼ無くヤマトやキャラは多少登場ですがあくまでも映像の場面画像としてです。
数は多くなくとも最新作「星巡る方舟」から関連も、いくつか引用があります。
ちなみに残念ながら、あのシステムに関しては触れられていませんでした。

天体ではアニメの画像とNASA関係の撮影した画像などの比較もあり、作品の美術にも関心。
そして、同作品内で架空の物ではあるけれど科学的な見識で考察も多々あり興味深い。

こんなに天文学や科学的な設定もされていたのかと同作品への熱を改めて感じました。
図解やカラーも多いので作品に興味をもったジュニア世代にも是非読んで欲しい一冊ですね。

「2199」を見て天文・宇宙に興味を持った(かつそれまでは持ってなかった)という人は必読。
「2199」の舞台となった天体・宇宙現象に絞って紹介・解説した、ヤマト本の中でもメカ解説本とは別のベクトルでハードな本。
「2199」に出てくる実在の天体はもちろん、架空の天体でも現代天文学でちゃんと根拠がある、もしくは存在可能性はあることを教えてくれる。と言っても記述は平易で、専門用語必須な箇所でも概念理解に割り切り簡にして要を得た説明をしてくれている。その意味で、読者を「2199」を入り口にして現代天文学の世界に招待する意図が込められてると思われるが、それに見事に成功している。
「2199」では実際、初代「ヤマト」以降の現代天文学の進展を舞台設定に大幅に取り込んでいるのだから、出るべくして出た本と言える(本来なら初代「ヤマト」の時点でもこういう本が出るべきであった!)。
ただ、「2199」ファンの中でもガチの天文・宇宙ファンという向きには掘り下げ方が少々物足りないという面もあろうが、そこは致し方ない。ここは多分筆者も猛烈に語り倒したかったところだろうなと思われる箇所が散見されるが、そこは入門書と涙を飲んだのだろう。ただしp.178の探査機「スターダスト」によるビルト第2彗星の尾の塵回収カプセルの地球帰還が2011年となってるのは2006年の間違い、ということだけは指摘しておきたい。新作「星巡る方舟」(ネタバレ注意!)公開に間に合わせるため締め切りギリギリだった(もしくは破った?)ために勘違いしたのだろうとは思うが。

ところで同人誌界からもほぼ同趣向の「最新天文学でたどるイスカンダルへの航海」(老頭児商会)という本が今年(2014年)の2月に出されており、こちらはむしろヤマトファンの視点から見た現代天文学・物理学と「2199」の絡みを記述していて(箇所によってはこちらの方が天文学の記述が詳細だったりする)、読み比べるのも一興だ。

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