ジャージー・ボーイズ ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] の感想

ニュージャージー州出身の若者４人の、バンドとしての成功と挫折・悲劇・人としての
再生を描いている物語です。
特にフランキー・ヴァリ演じるジョン・ロイド・ヤングの歌声に魅了されました。
優れた脚本・口ずさみたくなる音楽・魅力的な俳優陣・才能ある監督・スタッフの献身。
すべてのパーツがピタッと揃った素晴らしい作品です。
イーストウッド監督の俳優陣とスタッフにそそぐ優しい眼差しが、この作品全編に感じら
れ、暖かな愛情が最後まで行き届いていました。
街灯の下で歌う４人の姿からはじまるエンディングには、登場した人みんなで楽しく勢い
よく踊るシーンまで思わず拍手したくなります。
また、「君の瞳に恋してる」の曲に深く悲しい想いがあったことなど。新たな感じがわき
あがりました。

監督の繊細でセンスあふれる映像と音楽と絡み合った流れ、最高に素敵な作品でした。

自分古い人間でフォーシーズンズ全盛期直後に音楽を聴き始めました。当時ラジオで、ビートルズ以外で唯一連続全米1位となったバンドとききました。本作で歌われる最初のヒット「シェリー」やスタンダードとなった名曲「君の瞳に恋してる」がまだよく流れていて、そして数年後（1975年）にでた、映画の中で皆がダンスする「あの素晴らしき夜」が最後の大ヒットでした。

彼らの人間模様が、メンバーの目からの真実としてテンポよく語られ、大変面白かったです。伝説的ファルセット・ボーカルのフランキー・ヴァリ役ジョン・ロイド・ヤングの歌唱が凄いです。ミュージカル版主役だったそうで、本物のヴァリをほうふつとする歌唱で、ヴァリの栄光と苦悩の日々の表情演技とともに、歌も感動的に胸に響きました。脇役でヴァリの後見人役クリストファー・ウォーケンの老練の演技が見物です。天才歌手を見守る老実力者役を、魂がこもった渋い演技で、まるでイーストウッド監督が演じたかったのを彼に託したのではないかと感じました。ラスト「あの素晴らしき夜」の音楽とともに踊っているところはかわいかったです。

2013年フォーシーズンズ奇跡の初来日と称してヴァリ（＋新メンバー）コンサートがありました。ヴァリは79歳だったはず、監督と近い世代です。監督にとってもこのバンドは彼の若き日を彩ってきたBGMのわけで、このバンドと音楽への、あたたかな愛を感じました。鑑賞後にとても幸福な気分になれた作品で、映画ファン音楽ファンに広くおすすめです。

トミー賞受賞の作品を元にしたドラマ。
監督自身は大のJAZZ好きではあるが、フォー・シーズンズやフランキー・ヴァリの
ファンではなく、元のミュージカルを実際に観て監督することを決断。

フランキー・ヴァリ役はブロードウェイ版と同じくジョン・ロイド・ヤングが担当、
オリジナルには全く負けないファルセットを駆使するので素晴らしいの一言。

古今東西のグループが持つ苦悩や葛藤があったり、
ジョー・ペシとの意外な関わりに驚いたり、
フランキーヴァリがある悲劇に見舞われた後の
失意の中で歌うあの名曲を歌い上げるところは歌詞と相まって
大きなカタルシスを生み出す。

もしもフォー・シーズンズを知らなければ、
オリジナルやサウンドトラックを聴くのもいいのですが、
Gidea ParkのSeason Of Goldという作品がおススメです。
良くできたフォー・シーズンズのメドレーで
80年ごろの作品です。これを聞けば大体は劇中で流れる音楽を
７分で抑えることができます。youtubeでも聞けます。

また、過去のミュージカル映画のようにセリフを歌うのではなく
歌は歌、ドラマはドラマに分かれていますので、
ミュージカル嫌いの方でも問題ありません。

映画も音楽もおススメです。