複製された男 (日本語、吹替用字幕付き) [Blu-ray] の感想

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同じ年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作が２作品も公開されました。「プリズナーズ」と
本作です。ボクはこの作品の方が好きです。

かなり衝撃的な作品です。悪い言い方をすれば「何だかよくわからない映画」です。様々な
仕掛けや謎が何ひとつ明かされないまま驚きのエンディングで終わってしまいます。

中途半端な映画（ゆるゆるの脚本）で、消化不良のエンディングをみせられると腹も立ちま
すが、ボクの場合はこの映画については「あり」でした。

原作はポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説。ボクは原作を読んでい
ませんが、上映時間が９０分程度ということを考えると、映画化にあたりかなり大胆に脚色
したと思われます。

まるで黄砂が降り積もったかの如きカナダ・トロントの街並（くすんだ画調）。挿入される
蜘蛛のイメージ。ブルーベリー。散りばめられたアイテムはどれも明確な解答（解説）はあ
りません。「複製された男」の謎も明かされません。映画は唐突に自分とそっくりな男を登
場させ、それによって巻き起こる事件を追いかけます。

ジェイク・ギレンホールは監督との相性がいいのか？「プリズナーズ」続いての出演です。
２作とも監督が好んで起用した理由がわかるようなハマりぶりです。

謎めいた物語をありがたがって、いたずらに持ち上げるつもりはありませんが、１度観て欲
しい作品です。ラストシーンには本当に（久しぶりに）びっくりしました。一緒に劇場鑑賞
した妻は、びっくりして小さく体がハネていました。ＢＤ到着が待ち遠しいです！