虚業: 小池隆一が語る企業の闇と政治の呪縛 の感想

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タイトル虚業: 小池隆一が語る企業の闇と政治の呪縛
発売日販売日未定
製作者七尾 和晃
販売元七つ森書館
JANコード9784822814168
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

以前小池隆一の写真をメディアで見た時に、その優男と言っていい風貌に驚いたことがある。本書であらためて小池の写真を見ると、商法改正後最強かつ最後の総会屋とは思えない繊細そうで知的な表情に驚かされる。師匠筋にあたる小川薫や上森小鉄の表情に見る、徒手空拳、政官財やアンダーグラウンド勢力と抜き差しならぬ交渉を続けてきたものがもつ迫力とは根本的に異なる。
本書で、その理由の一端を垣間見ることができる。小池は徹底してクライアントのために尽くすエージェントであって(基本は与党総会屋だ)、むしろ総会屋という表現は彼の役割の断片を示す呼称に過ぎない。
小池の「総会は、始まった時点で勝負はついている」という言葉は、彼の仕事のスタイルを端的に表す。法廷で弁論する前に弁護士の仕事は大半終えているのと同様だ。
小池は酒を一滴も飲まない。銀座で女遊びもせず、ギャンブルもしない。先輩総会屋たちの派手な遊びを見ながら、横で体を鍛え、ビジネスの勉強を続けた。そして金遣いが荒く金の回らなくなった先輩総会屋に金を融通した。結局、「小池はネクラで付き合いが悪い」と陰口を叩いた多くの先輩総会屋は、小池に頭が上がらなくなる。
いつの間にか、JALや四大証券会社、第一勧銀も恐怖に陥れた、日本一の総会屋の地盤を着実なものとする。

最後の大物総会屋である小池がメディアの取材に応じることはない。だから小池が胸襟を開いて(かどうかわからないが、それなりに)作家に語ること自体が貴重で、本書は昭和から平成にかけての大きな経済事件の証言として魅力的だ。著者が小池と深く付き合うことになったエピソードもまた小池らしいものだった。

ただ、残念ながら者の文章力と経済への理解は、曲者ぞろいのプレイヤーが入り乱れる経済事件を解きほぐすには物足りない。

総会屋と呼ばれる人々が、どのように利益を得ていたのかを垣間見たくて購入したが、
小池隆一氏の人となりばかりに焦点が当てられおり、肩透かしを食らった感である。
ダイナミズムが無さ過ぎて退屈ですらあった。

小池氏とその周辺で起きた事件について、ある程度の前提知識が無いと、
どのタイミングで、誰が発言したことなのかすら理解し難い書き方で、
読んでいてストレスが溜まった。

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