恋愛論 完全版 (文庫ぎんが堂) の感想

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参照データ

タイトル恋愛論 完全版 (文庫ぎんが堂)
発売日販売日未定
製作者橋本治
販売元イースト・プレス
JANコード9784781671123
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » は行の著者

購入者の感想

私事ながら、最初に書かせてもらう。
私は今現在22才(来月23才)でありながら、女性と一度もお付き合いしたことがない。性風俗産業も利用したことがないから、要するに童貞ということになるが、そういうのはどうでもよくて、私自身はやはり、「女性と一度もお付き合いしたことがない」ということ、つまり両想いの恋愛をしたことがないということが、ものすごくつらいのである。後輩に指摘されて初めて気がついたことだが、私は22年間恋愛どころか、付き合っていないにしろ、女性と二人っきりで楽しいひとときを過ごしたことが一度たりともないのだ。22才と聞いて中年童貞の方々には、「何をそれしきで!」と鼻で笑われるかもしれないが、つらいという人の内面で起きる感情は他人と計れる類のものではないし、彼らがもしつらい思いを抱えているのであれば、私もそれと同じぐらい、全身全霊でつらいのである。

先日私は数年間ずっと片思いをしていた女性に告白してフラれたのだが、ここまでダメだと私は私の好きになった人とはセックスやキスはおろか、手をつないで歩くことさえ死ぬまで許されないのではないか、という不安と絶望に駆られてくる。

「なんで僕は恋愛できないんですか?僕には恋愛が許されないんですか?」 
それに橋本治は本書『恋愛論』で、こう答えてくれる。

「はっきり言って、恋愛相手に出会えない人っていうのは、別に今恋愛なんかしなくたっていい人なんだもの。恋愛する理由も必要ないから、その人の前には”恋愛相手”なんていうものが出て来ないっていう、それだけなんだよね。」(19p)

では私が「今恋愛をしなくたっていい」というのはどういうことなのだろうか。私自身はめちゃめちゃしたいのに。

「恋愛というものは、『なんでも一人でやれる』という人間と対立して、その修正を迫るようなものだから、『自立』というような近代的な考えと衝突する運命にある」(252p)

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