團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519) の感想

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参照データ

タイトル團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519)
発売日販売日未定
製作者市川 團十郎(十二代目)
販売元PHP研究所
JANコード9784569699295
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 日本の伝統文化 » 歌舞伎・文楽・能

購入者の感想

ドキュメンタリー「オペラ座の弁慶」で、十二代目と海老蔵が演出で意見が割れ、
言い合うシーンがあります。このシーン、
團十郎が座長なのだからビシッと従わせてもいいはずなのに、
そうはせず、何となくはがゆい感じがしたのですが、ぼくが間違っていました。

さて、この本一冊で、歌舞伎の歴史と概要が理解できます。
12代にわたる「團十郎の歴史」を下敷きに、歌舞伎の歴史がわかりやすく語られます。
見方を変えれば、「團十郎の歴史」こそが「歌舞伎の歴史」という
市川家の自負のあらわれかもしれません。

で、最初の話に戻るんですが、團十郎は海老蔵に対し、
「失敗してもいいから、実際にやって学んでみろ」
そういう意図だったんだなあ、というのもこの本で理解できます。
海老蔵もまた、後にこう言ってます。
「十一代目の影ばかり追っていたが、その姿は実は十二代目の中にあった」と。
こうやって歌舞伎と團十郎の歴史が積み重なってきたんだなあと思いました。

まあ読めば、十二代目の知性と探究心にうならされます。
本当に楽しめる本です。

團十郎丈のお話は歌舞伎の誕生、初代團十郎に始まる市川家の系譜のみならず、西洋と東洋の演劇の差違など、学者ならいくらでも難解な言葉を並べて長い講義になりそうなところを、簡潔でわかりやすく表現されています。大変な事をなんでもない事のようにこなすのは、実はとても大変な事です。さながら團十郎丈の芸のようです。歌舞伎界も宙乗りなどスペクタクルな演出が頻繁に見られますが、何よりもまず芸の精進があり、仕掛けに頼らずとも芸で見せてこそという丈の意見は大変納得できます(これは海老蔵丈への苦言もあるのでしょうが)。これらの歌舞伎概論もさる事ながら、お父上の海老さまこと十一代目團十郎丈のエピソードを時折語られるのが感慨深かったです。

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