１０歳から身につく　問い、考え、表現する力　僕がイェール大で学び、教えたいこと ＮＨＫ出版新書 の感想

　外部参照（=引用元を確認していく作業を含め、複数の文献を読み込んでいく読書）を行いながら批判的に読む事が「問う力」の涵養には不可欠であるという点に最も共感した。日本の国語授業では「同化読み」のトレーニングに留まっていては、伸びしろの芽を摘んでいるようなものだ。本当にもったいない。本書にも紹介されているEric Carle　と　Dr. Seuss初め、Jan Brett、Ezra Jack Keats, Cynthia Rylant等の複数の絵本作品を一か月間集中的に複数読み比べている授業を子供が米国の小学校1年次に受けた。日本の国語の課題で、同一作者の複数作品の読み比べ、同一時代の異なる作者の作品の比較等、クリティカルな読書、ブックレポート（書評）を課された経験がなかった為、衝撃を受けた。　一通り、事実を知っている状態より、常に「問う力」が試されるのが、教育の醍醐味だと思う。
　国内外の質の高いリベラル・アーツ型の教育を子供に受けさせたい親御さんに強くお薦め致します。