経済学のエッセンス―日本経済破局の論理 (講談社プラスアルファ文庫) の感想

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タイトル経済学のエッセンス―日本経済破局の論理 (講談社プラスアルファ文庫)
発売日販売日未定
製作者小室 直樹
販売元講談社
JANコード9784062568128
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

 この文庫本は、カッパブックスから、一二年前に出版された『日本経済破局の論理 サムエルソン「経済学」の読み方』を、この間の日本経済の状況を加筆・修正した再編集されたものである。
 旧版の目次は、まえがきー「複合不況」とサムエルソン『経済学』、第一章「複合不況」論はウソか真か、第二章ヒットラー奇跡の経済政策の教訓、第三章風が吹けば桶屋が儲かる経済学 であった。
 新版の目次は、文庫版まえがき、序章文庫のための「平成大不況のエッセンス」、第一章バブル弾けの論理をとっくりと、第二章GNPを見つめよ、さらば汝、経済を悟るべし、第三章ヒットラーは如何にして完全雇用を実現したか、第四章風が吹けば、桶屋以外も儲かる恐ろしさ、第五章ケインズは死なず となっている。
 確認できるように、今回加筆された序章は、この本の中の白眉であり、この間の一二年だけでなく、明治以来の日本経済史の総括が加筆されている部分でもある。私が高く評価する碩学の小室博士の総括だけに、ここだけでも、本屋で立ち読みする価値がある。ここには日本経済の特徴が端的に明らかにされており、私などは共産党の「講座派」理論を聞かされているような錯覚にすら陥ってしまう。
 旧版の第三章は、新版では、第四章と第五章に分けられ、第五章は、旧版第三章の再後半部をふくらませるとともに、ケインズ政策を強行せよとの提言と個人を富ます貯蓄は、日本全体を貧しくするとの直言で終わる。
 この著作は、近代経済学が、現在の平成不況をどのように考察しているかについて、またその克服の道を簡潔に明らかにしたものとして、私たちには、その意味では実に得難いものとなっている。
 最後に付け加えておけば、旧版では、本文中にゴジック体の文字は少なかったが、新版では、大事な核心部分は、ゴジック体で印字されている。読者にとっては心憎い工夫ではある。とにかく廉価であり、一読の価値がある。(直)

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