医療の選択 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | 医療の選択 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 桐野 高明 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004314929 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
医療は誰でも世話になるがその制度や仕組みはなかなか分かりにくい。そしてマスコミの言説にも引きずられてしまう。
この本は丁寧に事例を使いながら一般の誤解を解きほぐしていってくれる。高齢者が増えるから医療費が増えると単純には言えないなど誤解していた点を解明していってくれる。読みやすく参考になる点、教えられる点が多い本である。
この本は丁寧に事例を使いながら一般の誤解を解きほぐしていってくれる。高齢者が増えるから医療費が増えると単純には言えないなど誤解していた点を解明していってくれる。読みやすく参考になる点、教えられる点が多い本である。
書名にあるように、超高齢社会を迎えまた人口減少社会となった日本において、増え続ける医療費等の社会保障費を将来にわたって負担し、その上で国民が受ける医療サービスの質を維持していくためにどのような選択肢があるのかを具体的に例示した本である。
現在の日本の医療制度についてその歴史的な経緯、また海外の制度とも比較しながら分かり易く解説してある。他の類書のように問題点ばかり強調するのではなく、日本の医療の優れた点、潜在的なポテンシャルもきちんと指摘している点は好ましく感じた。
本書で何度も強調されているように、ある国がどういう制度を選択するかは、その国の国民が何をもって共有するべき価値観とするかに関係している。だとすると、医療を国民が自己の責任で購入するサービスと位置付けて設計された米国の医療制度を日本が採用することは将来にわたって難しいことは理解される。世界に先駆けて超高齢社会を迎えた我が国は、米国とは異なる価値観の下で、いくつかの選択肢の中から工夫を重ねて独自の医療制度を組み立てていかねばならないのであろう。そして時間がほとんど残されていないのも事実である。
本書の中心的なテーマは医療制度あるいは広く社会保障制度であるが、第4章で取り上げられている、医薬品・医療機器開発あるいは医療産業という面での課題についての解説も大変興味深い。
難しいテーマを扱っているが、著者は映画好きなのか、随所にテーマに関係した映画の話題等も取り上げてある。その他、本やテレビドラマから話を展開するなど、興味を持たせる工夫がされていることも本書の特徴の一つとして挙げられる。
現在の日本の医療制度についてその歴史的な経緯、また海外の制度とも比較しながら分かり易く解説してある。他の類書のように問題点ばかり強調するのではなく、日本の医療の優れた点、潜在的なポテンシャルもきちんと指摘している点は好ましく感じた。
本書で何度も強調されているように、ある国がどういう制度を選択するかは、その国の国民が何をもって共有するべき価値観とするかに関係している。だとすると、医療を国民が自己の責任で購入するサービスと位置付けて設計された米国の医療制度を日本が採用することは将来にわたって難しいことは理解される。世界に先駆けて超高齢社会を迎えた我が国は、米国とは異なる価値観の下で、いくつかの選択肢の中から工夫を重ねて独自の医療制度を組み立てていかねばならないのであろう。そして時間がほとんど残されていないのも事実である。
本書の中心的なテーマは医療制度あるいは広く社会保障制度であるが、第4章で取り上げられている、医薬品・医療機器開発あるいは医療産業という面での課題についての解説も大変興味深い。
難しいテーマを扱っているが、著者は映画好きなのか、随所にテーマに関係した映画の話題等も取り上げてある。その他、本やテレビドラマから話を展開するなど、興味を持たせる工夫がされていることも本書の特徴の一つとして挙げられる。