ゆめいらんかね やしきたかじん伝 の感想

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参照データ

タイトルゆめいらんかね やしきたかじん伝
発売日販売日未定
製作者角岡 伸彦
販売元小学館
JANコード9784093897525
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

たかじんさんの生い立ちから晩年までしっかり取材されていて故人を更に好きになりました。負のエピソードも客観的に書かれており美化されたタレント本では無い1冊です。お父様の国籍に触れたことで元お弟子さんが辛辣に非難しているブログも見ましたがルーツなんてファンにとってはどうでも良いことです。今話題のさくらさんはたかじんさんの生前から没後に至るまで著者の取材に一切応じなかったとのことです。

 ファンの方々には申し訳ないが、やしきたかじんが嫌いだった。正確に言えば、“あの番組”以降、嫌いになった。
 たかじんは、いかにも大阪的な“突破者”だった。番組中でゲストに酒を飲ませる無茶をしでかし、納得いかない商品には、生放送で公然とメーカーにクレームを付ける。一方で眼力鋭く、「これは」と思う品は、強烈にプッシュした。毒気も強いが、なぜか憎めない、愛すべき“やんちゃくれ”だった。
 けれど、“あの番組”の辺りから、たかじんは変わってしまった。本人からも番組からも“笑い”が消え、止めどなく吐き出した毒気は、番組に収まらず、世間の空気までトゲトゲしく変えていったように思えた。最後までお笑い路線を守っていた『胸いっぱい』からも、良い意味で「しょーもない」ゲームコーナーが消え、他の番組と似たり寄ったりの評論番組に変貌してしまった。
 そんなたかじんが世を去って8ヶ月後。本書で一つの隠されていた事実が明かされる。

「たかじんの実父は、在日韓国人」

 最初に話を聞いた時には、そんなんアリか?と思った。卑怯だとも思った。
“あのような番組”のMCを務めておきながら、自分は投げ返されない物陰に隠れて、一方的に石を投げつけていたというのか? ふざけるなと思った。
 いったいどの面下げて、と、半ば怒りを覚えながら、本書を手に取った。

 しかし、本当に意外だったのだけど、読後感は非常にさわやかだった。
 たかじんの最大のタブーを暴きながらも、本書はいわゆる“在日認定”的な、本人の弱みを暴き立て、あげつらう、陰湿なゴシップ本ではない。むしろ、たかじんの生涯を追体験する、“自伝以上の伝記”と思えた(あくまでも“個人の感想”ではあるけれど)。

 本書は、やしきたかじんという歌手、タレントを、私に再認識、再評価させてくれた。
 筆者の角岡氏は、いわゆる“部落”出身であることを明かしているライターだそうだが、本書においては、むしろ“関西人”のスタンスだ。

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