絶滅動物 調査ファイル (「もしも?」の図鑑) の感想

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参照データ

タイトル絶滅動物 調査ファイル (「もしも?」の図鑑)
発売日販売日未定
製作者里中 遊歩
販売元実業之日本社
JANコード9784408454757
カテゴリ » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物

購入者の感想

アマゾンページでの「内容紹介」では、「動物絶滅事件の謎を解き明かすことで、その生態と絶滅した真相を学べるミステリー図鑑……絶滅原因は、科学的根拠に基づく最新の説を採用」とあって、一寸した興味が湧いて衝動買いしたものだが、冒頭漫画の導入部に”子供向けだったのか!”と落胆した。ところがイラスト・図解等の多いことや殆どの漢字にルビが振ってあることを除くと、案外大人向けの内容・構成なのである。逆に言えば、漢字のルビがあっても、小学生レベルでの単独理解は難しいのではないか?と推察される箇所が散見された。

例えば、絶滅原因を「火山活動」と推測する解説では、「玄武岩」のアトラス山脈の分布、「マグマ分布域」の図解、「パンゲア大陸」の分裂など、プレートテクトニクス理論を前提とする説明があったり、また超新星爆発による「ガンマ線バースト」等といった概念がさらりと使われているが、大陸分裂の仕組みや「ガンマ線バースト」自体の解説はない。端的に言えば、表現方法(全漢字のルビや図説イラスト)と内容のレベルが対象読者と一致していないような印象を受ける。

構成・内容は、探偵が助手とともに古生代〜新生代(現代)までの、代表的絶滅事象(動物)を取り上げる。古生代では、いわゆるビッグファイブ(五大絶滅)を順に取り上げていく。まずオルドビス紀末の超新星爆発に伴う「ガンマ線バースト」説、次にデボン紀後期の寒冷化と「温室効果ガス」(二酸化炭素)の減少説、ペルム紀末の「スーパープルーム」(大規模火山活動)説、三畳紀末の「パンゲア大陸分裂」による火山活動説、そして白亜紀末の恐竜絶滅を引き起こした巨大隕石衝突説(「ユカタン半島」の「チクシュルーブ・クレーター」や「白亜紀末の地層」に観られる「イリジウム」に言及)といった具合である。

右要約中の「」で括った用語は、本書でそのまま使用されている。そして新生代の絶滅では、人類が直接・間接に関わった動物に焦点をあて、アウストラロピテクスやモーリシャス・ドードー(ドードー鳥)からニホンオオカミの絶滅まで解説、付録として現在の世界と日本の主要な「絶滅危惧種」(CR・EN・VU)リストを掲げている。このように、本書の読者対象は内容からすると判然としないものがあるが、本書カバーにある「大人でも楽しめる」は確かである。

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