コーランを知っていますか (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | コーランを知っていますか (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 阿刀田 高 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101255293 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
本書はイスラム教の聖典である『コーラン』を一般読者にもわかりやすく解説することを目的としたもの。『コーラン』だけでなく、イスラム教の開祖であるマホメットや、イスラム教の教義についても上手に纏められている。
著者はイスラム教の専門家ではないし、本書自体も学術書ではなくエッセイであって非常に読みやすいのだが、あまりにも読み易いので読んでいる途中、「こんなに軽くて、間違ったこと書いてないのかなあ・・・?」と怪しんでしまった程だが、その点解説を担当しているイスラム教専門の学者によると、大丈夫!だそうだ。むしろ著者は本当によく勉強していて、本書はイスラムの専門家から見ても、非常によくできた入門書になっているらしい。
日本人のイスラム教のイメージには、「何をしでかすかわからない」とか「女性を差別している」とかいうものが多いだろうけれども、「ある程度イスラム教を勉強してからきちんと判断しようじゃないか」というのが著者のスタンスなんだろうと思う。
イスラムの教義に賛成するにせよ、反対にするにせよ、まずは知らなくちゃあ話にもならない。
本書はそのイスラム教を知るということの取っ掛かりに最適な本である。
著者はイスラム教の専門家ではないし、本書自体も学術書ではなくエッセイであって非常に読みやすいのだが、あまりにも読み易いので読んでいる途中、「こんなに軽くて、間違ったこと書いてないのかなあ・・・?」と怪しんでしまった程だが、その点解説を担当しているイスラム教専門の学者によると、大丈夫!だそうだ。むしろ著者は本当によく勉強していて、本書はイスラムの専門家から見ても、非常によくできた入門書になっているらしい。
日本人のイスラム教のイメージには、「何をしでかすかわからない」とか「女性を差別している」とかいうものが多いだろうけれども、「ある程度イスラム教を勉強してからきちんと判断しようじゃないか」というのが著者のスタンスなんだろうと思う。
イスラムの教義に賛成するにせよ、反対にするにせよ、まずは知らなくちゃあ話にもならない。
本書はそのイスラム教を知るということの取っ掛かりに最適な本である。
阿刀田高氏は、ギリシャ神話、新約聖書、旧約聖書、ホメロスなど、古典をやさしく解説した本を数多く出してきた。しかし、はっきりとした筋や興味を引かれる伝説が少なく、読み通すのが難しいコーランを取り上げたのには、正直驚いた。
結果、他のレビュアーさんも指摘されているように、ストーリーという意味では面白みが少ない本になっていることは否めないが、コーランをここまで噛み砕いて丁寧に解説していることは賞賛に値する。
(1)コーランがどんな構成になっているかを示す一方、ポイント絞って適度に内容を紹介しているため、入門者にとって理解しやすい。
(2)マホメッドの布教、国づくりの歩みとコーランの内容との関係について解説されている。コーランの記述が、純粋な理論一辺倒でなく、当時のマホメットの置かれた立場や社会状況を色濃く反映したものであることが無理なく理解できる。
(3)歴史的にも、現代においても対立が深いようにみえるキリスト教、ユダヤ教であるが、コーランにおいては、非常に近しい関係にあることがよくわかる。
(4)難解なコーランに関する本でありながら、阿刀田氏の熟達した表現やジョークを交えた語り口により、最後まで読み通すことができる。
一般に、日本では、コーランやイスラム世界について理解が極めて浅い。多神教の日本人が、極めて純粋な一神教であるイスラム教を理解することには困難な面もある。
そんな中で、本書は、とてもためになる貴重な本であると言える。
結果、他のレビュアーさんも指摘されているように、ストーリーという意味では面白みが少ない本になっていることは否めないが、コーランをここまで噛み砕いて丁寧に解説していることは賞賛に値する。
(1)コーランがどんな構成になっているかを示す一方、ポイント絞って適度に内容を紹介しているため、入門者にとって理解しやすい。
(2)マホメッドの布教、国づくりの歩みとコーランの内容との関係について解説されている。コーランの記述が、純粋な理論一辺倒でなく、当時のマホメットの置かれた立場や社会状況を色濃く反映したものであることが無理なく理解できる。
(3)歴史的にも、現代においても対立が深いようにみえるキリスト教、ユダヤ教であるが、コーランにおいては、非常に近しい関係にあることがよくわかる。
(4)難解なコーランに関する本でありながら、阿刀田氏の熟達した表現やジョークを交えた語り口により、最後まで読み通すことができる。
一般に、日本では、コーランやイスラム世界について理解が極めて浅い。多神教の日本人が、極めて純粋な一神教であるイスラム教を理解することには困難な面もある。
そんな中で、本書は、とてもためになる貴重な本であると言える。