京都・大阪・神戸【名建築】ガイドマップ の感想

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この手の書籍としてはかなり理想に近いものです。おかげさまで随分と楽しませて頂きました。細かい要望がいくつかあります。
①ルート番号とエリア番号があって紛らわしい。ルート番号はエリア番号の後にハイフンで番号を付けてほしい。②地図がわかりにくい部分がある。具体的にはaとかbとかついている部分。
いずれにしても関東版の出版も望まれます。

1つのコースを4ページで紹介し、各ページには3つの建築物を掲載し、その外観や特徴を具体的に記しながら、名建築をたどる散歩気分にひたれる著作でした。一部を除き外観のみですが、写真も美しく、取り上げた建築も類書と比較してあまり知られていない建物まで取り上げてありますので、内容が充実しています。それぞれのルートが地図上に記されているのは散策に便利ですし、参考として総距離、参考タイム、消費カロリー、建築物数などが書かれています。オールカラーでした。

紹介の地域は以下のようになっていました。結構細かいエリア設定ですし、かなり工夫されたルートですから、良く知っている地域も新鮮に映りました。
■京都　1洛中エリア　2御苑北西エリア　3洛東エリア　4東山エリア　5蹴上エリア　6本願寺エリア　7紫野エリア　8洛北エリア　9洛南エリア　
■大阪　10船場エリア　11ミナミエリア　12西区エリア　13キタエリア　14上町エリア　15上本町エリア　16天王寺エリア　17淀川区エリア　18大川エリア　19泉北エリア　20泉南エリア
■神戸　21池田エリア　22尼崎エリア　23西宮エリア　24芦屋エリア　25神戸東灘エリア　26神戸灘エリア　27神戸中央エリア

194ページから地図付きで記されている泉南エリアの岸和田付近は、類書で取り上げられていない地域です。ＮＨＫの朝ドラ「カーネーション」の舞台ですから、だんじりの季節以外にも本書を片手に街を歩いてみたくなりました。
208ページからの尼崎ルートも同様でしょう。阪神間の洋館はこれまで数多の出版物で数多く紹介してありますが、尼崎地域の建築物はほとんどないと思いますので大変参考になりました。

筆者の円満字洋介氏は、京都工芸繊維大学建築学科卒で、円満字建築事務所代表を務めています。なお筆者が描いた50枚ほどの水彩スケッチも掲載してありました。