三浦綾子 電子全集 氷点(下) 小学館電子版 の感想

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参照データ

タイトル三浦綾子 電子全集 氷点(下) 小学館電子版
発売日2012-10-05
製作者三浦 綾子
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

作者は原罪の概念を具現化するために、啓造、夏枝、陽子、の三人を造詣しました。物語の悲劇は、不貞を疑わせる行動をとってしまった妻の夏枝の弱さと、その妻を正面切って問い詰めることが出来なかった夫の啓造の弱さにあります。それら弱さを、各キャラクターの内面を伴ったエピソードを通じて的確に描いています。見事なキャラクター造詣です。一方陽子はやや超人的で、明るく前向き潔癖に生きようとすることから、前出の二人よりもより根本的な深い人間の罪に気付かされてしまいます。でも、キリスト教徒でない私には、陽子が潔癖さゆえに原罪をあまりに重く捉えてしまっていることには、やや賛同できませんでした。しかしながら、人間の内面の弱さと脆さを描いた名作として、高く評価できます。読んでよかったと思いました。

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