純粋な自然の贈与 (講談社学術文庫) の感想

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タイトル純粋な自然の贈与 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者中沢 新一
販売元講談社
JANコード9784062919708
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

著者の語り口は流れる歌のようだ、強弱があり旋律がある。
しかし霊的なものを表現しているので、うっかりするとオカルトの類と思われてしまうのが残念だ。
読者にはよく咀嚼してもらいたい。

人間の歴史を振り返ると、狩猟時代には人間の手で獲得できるものに堅固なものはなく、動物も植物も全て森の神からの「贈与」として贈られてきた。人間はそのような贈り物をしてくれる森の神の好意に答えて、さまざまな返礼をした。人間が自然にたいしていつも礼儀深く、感謝の気持ちをおこたらないかぎり、森の神は人間への贈与を続けてくれた。すべては「無」から「有」の世界に贈り物としてやってくる。

しかし人間は「死の恐れ」から農業を発達させ、文明を興し、商業を産み出した。
商業の誕生と同じく貨幣も誕生した、貨幣は贈与のように「無」から「有」をつくりだす能力を持っていない。「有」を別の「有」に変態させることができるだけだ。
「死の恐れ」が、とうとう「無」への開口部をふさいでしまう。

貨幣の根本原理である等価交換は、それだけでは余剰価値を産み出さない。等価交換から資本(余剰価値)は発生するのは、労働者が産み出す「無」からの「労働力」やフィジオクラット(重農派)の概念である「純粋な自然の贈与」によって可能となる。

人々は太古から「無からの贈与」に対し感謝を現し祭りを催してきた、クリスマスも同様の起源を持つ。

自分は貨幣の価値に疑問がある。「無からの贈与」を見直す必要があるだろう。

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