グッドワークス! の感想

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「自由裁量による事業の実践と企業資源の寄与を通じて、地域社会の福祉を改善しようとするコミットメント」と定義している。とりたてて目新しいことでもなく、これまでの著書、例えば「社会的責任のマーケティング」と重複する部分も多い。しかし、事例的にかなり最新の企業動向が盛り込まれているので、わざわざ読む価値もある。

その方法と段階をまとめると、
１．コーズ・プロモーション＝社会的主義主張（会社が行うこと、したいことの宣言）を促進する活動を外に向けてきっちりとＰＲする。
２．コーズ・リレイティッド・マーケティング＝社会的主義主張に関するマーケティングを行う。
３．ソーシャル・マーケティング＝ここまでの実績、取り組みに「社会」「地域」を巻き込む仕掛け。
４．社会的貢献活動＝実質的に「寄付」「助成金」「現物供与」を行う。
５．従業員のボランティア活動＝休暇や業務内での活動を促進する。
６．社会的責任ある事業の実践
となる。

もちろんここで肝心なのは「偽善が見えてしまう」感や「ほんとうにいくら、どこへ寄付するのかはっきり表示しないといった『あいまいさ』の排除」となる。

特にこころをうたれたケース・スタディとしては、「Ｓｅｌｌｎ」という建設会社が小児病棟から見える場所にビルを増築する際、入院患者の子どもたちの名前を鉄骨にひとりづつ書き込んで激励したという現場感覚とやさしさには頭が下がった。

最近、現代資本主義の下での経済的格差拡大についての仏経済学者の著書が注目されているようです。
　そのような状況の中で、この書物はそのような風潮、つまり破産した社会主義へのノスタルジアに対する強力なアンチテーゼであるように思われます。多様な価値観を前提とする自由主義的資本主義を維持するための、これは一つの有意義な提言であると考えます。本来は倫理学者であったアダム・スミスは「より多く人により多くの富が約束される」のが自由主義的資本主義の本質であると喝破した。
　この現代における実践のあり方にこの書物は大いなる示唆を与えるものとなっていると思われます。