母のはなし (集英社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 母のはなし (集英社文庫) |
発売日 | 2014-05-20 |
製作者 | 群 ようこ |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087451900 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者 |
購入者の感想
浪費家の夫に悩まされ、離婚するまで「あと×年の辛抱」と数えながら生活している「母」の姿は切実で生なましく、違和感なしに読めます。最後までそんな調子でいくのかと思いましたが、この本で描かれている「母」は、娘の成功を機に豹変してしまい、そこからが読み応えがあります。
その娘は広告代理店に勤めるようになり、弟がいて、親にポンと家を買ってあげ…。ここまで読んで、これって群さん家の事情では…と、群さんの他の小説やエッセイを読んできた人は気がつきます。他のエッセイで、お金がないお金がないというイメージを読者にあたえてきた著者ですが、さらに合点がいきました。(でも『かもめ食堂』の映画化で、取り戻せたのでは。。)
淡々と駆け足で、「母」の一生を一冊の本に凝縮してあります。小説というより、「母」の生涯を概略として説明されたものになっている印象がしました。母をモチーフにした小説は多々ありますが、特に菊次郎とさき (新潮文庫)で描かれている母とは、子供のお金の扱い方の面で正反対です。慎ましい生活をしていた「母」が、お金によってここまで変わってしまうとは。しかし群さんは母に左団扇させ、本当に親孝行としかいいようがありません。
その娘は広告代理店に勤めるようになり、弟がいて、親にポンと家を買ってあげ…。ここまで読んで、これって群さん家の事情では…と、群さんの他の小説やエッセイを読んできた人は気がつきます。他のエッセイで、お金がないお金がないというイメージを読者にあたえてきた著者ですが、さらに合点がいきました。(でも『かもめ食堂』の映画化で、取り戻せたのでは。。)
淡々と駆け足で、「母」の一生を一冊の本に凝縮してあります。小説というより、「母」の生涯を概略として説明されたものになっている印象がしました。母をモチーフにした小説は多々ありますが、特に菊次郎とさき (新潮文庫)で描かれている母とは、子供のお金の扱い方の面で正反対です。慎ましい生活をしていた「母」が、お金によってここまで変わってしまうとは。しかし群さんは母に左団扇させ、本当に親孝行としかいいようがありません。