茶色の朝 の感想
参照データ
タイトル | 茶色の朝 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | フランク パヴロフ |
販売元 | 大月書店 |
JANコード | 9784272600472 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学 |
購入者の感想
どこにでもありそうな街の淡々とした日常が、少しずつ茶色に染まっていくというお話。茶色に染まるというのは、他の色は認めない全体主義に支配されるということ。最初の頃、茶色党が茶色じゃない猫をすべて始末するという「ペット特別措置法」を出した時、主人公の「俺」は違和感を感じ、胸を痛めたけれど、何もしなかった。そのうち犬、新聞、ラジオ、本、、、と、茶色以外のものの取締りが行われるようになり、とうとう「昔、黒の犬を飼っていた」友人が逮捕されてしまう。どうして最初の頃に感じた違和感にきちんと向き合って、抵抗しなかったのか、と「俺」は後悔するが、遅かった。――私も今感じている違和感に向き合わなくてはいけないかな。。短いのに重い手応えのある本でした。