アニメ<物語>シリーズヒロイン本 其ノ伍 戦場ヶ原ひたぎ の感想
参照データ
タイトル | アニメ<物語>シリーズヒロイン本 其ノ伍 戦場ヶ原ひたぎ |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062189347 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » イラスト集・オフィシャルブック |
購入者の感想
本巻は戦場ヶ原ひたぎのヒロイン本だが、それほど、彼女の個性が前面には出てこず、むしろ物語シリーズ全体のまとめとして機能している。物語シリーズ全体を貫くのは青春の終という人生で最も甘酸っぱい時間の描写だ。その中で最もまともな形で大人の階段を上ったのが戦場ヶ原ひたぎだ。
他のヒロインは皆、一歩前進したがそれぞれの鬱屈を抱えている。羽川翼は自分探しを続け、千石撫子はペンにこれからを賭け、八九寺真宵は永劫の時を過ごし、忍野忍は阿良々木暦の影に潜み続ける。神原駿河は一人学園に残り、阿良々木火憐はわが道を行き、阿良々木月火は変りようもない。だからこそ、その個性に焦点を合わせやすかった。
思えば、問題はあるにせよ恋人に寄り添い幸せを手に入れたのは戦場ヶ原ひたぎ、ただ一人なのだ。彼女は羽川翼と親しみ、神原駿河と睦み、阿良々木姉妹とぎこちなくも姉妹になりつつあり、八九寺真宵や千石撫子、忍野忍とはほぼ没交渉のままだ。いわば、現世を生きているといえる。他のヒロインとは立ち位置が違う。現実的なのだ。
そのことが、今回のヒロイン本にも色濃く表れている。彼女のエピソードにはひたぎクラブを除けば怪異は直接からんでこない。恋物語の主人公は貝木泥舟だし、ヒロインは事実上、蛇神娘こと千石撫子だ。戦場ヶ原ひたぎは発端を作ってもあとは一歩引いた位置にいる。ひたぎクロニクルに挙げられている名セリフも、自らが話しの主体として口火を切ってというより、相手に答えて口にした言葉がほとんどだ。
特に偽物語以降、囮物語や恋物語では、阿良々木暦の普段の生活を普段たらしめるために心を砕く。内助の功というべきか。貝木泥舟が恋物語で彼女について、今している恋が常に初恋といった風だ、と評した。良い言葉だと思う。それが表紙と扉絵に現れている。
同時に、こうした位置づけが、彼女の存在感を薄くしているが、反面、セリフに血を通わせてもいる。斎藤千和さんが、最初からひたぎはすごくかわいいと言い続けてきたし、女性には普遍的なヒロイン像なのかもしれない。
思えば階段から落ちたのは青春の終わりという暗喩だったのだろうか。落ちて受け止めたのが運命の人とは、メインヒロインならではの青春の終わりといえるのではないか。
他のヒロインは皆、一歩前進したがそれぞれの鬱屈を抱えている。羽川翼は自分探しを続け、千石撫子はペンにこれからを賭け、八九寺真宵は永劫の時を過ごし、忍野忍は阿良々木暦の影に潜み続ける。神原駿河は一人学園に残り、阿良々木火憐はわが道を行き、阿良々木月火は変りようもない。だからこそ、その個性に焦点を合わせやすかった。
思えば、問題はあるにせよ恋人に寄り添い幸せを手に入れたのは戦場ヶ原ひたぎ、ただ一人なのだ。彼女は羽川翼と親しみ、神原駿河と睦み、阿良々木姉妹とぎこちなくも姉妹になりつつあり、八九寺真宵や千石撫子、忍野忍とはほぼ没交渉のままだ。いわば、現世を生きているといえる。他のヒロインとは立ち位置が違う。現実的なのだ。
そのことが、今回のヒロイン本にも色濃く表れている。彼女のエピソードにはひたぎクラブを除けば怪異は直接からんでこない。恋物語の主人公は貝木泥舟だし、ヒロインは事実上、蛇神娘こと千石撫子だ。戦場ヶ原ひたぎは発端を作ってもあとは一歩引いた位置にいる。ひたぎクロニクルに挙げられている名セリフも、自らが話しの主体として口火を切ってというより、相手に答えて口にした言葉がほとんどだ。
特に偽物語以降、囮物語や恋物語では、阿良々木暦の普段の生活を普段たらしめるために心を砕く。内助の功というべきか。貝木泥舟が恋物語で彼女について、今している恋が常に初恋といった風だ、と評した。良い言葉だと思う。それが表紙と扉絵に現れている。
同時に、こうした位置づけが、彼女の存在感を薄くしているが、反面、セリフに血を通わせてもいる。斎藤千和さんが、最初からひたぎはすごくかわいいと言い続けてきたし、女性には普遍的なヒロイン像なのかもしれない。
思えば階段から落ちたのは青春の終わりという暗喩だったのだろうか。落ちて受け止めたのが運命の人とは、メインヒロインならではの青春の終わりといえるのではないか。