ハリー・クラーク の感想

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参照データ

タイトルハリー・クラーク
発売日2014-09-20
販売元パイインターナショナル
JANコード9784756245090
カテゴリ » ジャンル別 » アート・建築・デザイン » 作品集

購入者の感想

素晴らしい表紙に惹かれ購入しました。暗く幻想的で、色づかいもすごいしキラキラしてる。
ハリークラークの描く人物はかなり特徴的で、細長い体に強い目力。毒を孕んだような世界観。
それゆえに万人向けではないですが、ハマる人にはハマる魅力を持っていると思います。

十九世紀末、挿絵画家の黄金時代後期に活躍した線画の名手ハリー・クラークの作品集です。モノクロ画の挿絵画家として有名なオーブリー・ビアズリーに対し、クラークは英語圏でも知名度が高いとはいえず、日本では荒俣宏氏の著書で言及される程度だったと思います。ところが2010年代に入り、クラークの挿絵付きアンデルセン作品集やファウストの刊行が相次ぎ、このたび生涯の作品を広く網羅した本書が刊行され、クラーク作品が一気に身近になってきました。

本書は挿絵画家、そしてステンドグラス作家としてのクラークの生涯をたどる作品集です。内容はクラーク伝記に続き、挿絵作品集(アンデルセン、EAポー、シャルル・ペロー、ファウストなど)、ステンドグラス作品集、そして関係者や同時代の画家の紹介となっています。値段は高めですが、厚みがあり、内容も濃いので挿絵画家ファンなら満足の出来ではないでしょうか。印刷も綺麗です。
クラークの挿絵の魅力は、繊細な色使いの光るカラー画もさることながら、空間を埋め尽くすアイルランド古代文様に近いうねり描線のモノクロ画でしょうか。妖艶な魅力と魔法に満ちた世界が見事で、とくに「人魚姫」などは他者の追随を許さない傑作です。子供向けというよりは大人のための童話です。
また、本業であるステンドグラス作家としての作品群も、中世のガラス窓しか知らない身には衝撃の出来映えでした。

是非一度お手にとって、知られざる作家の世界をのぞいてほしい、そんな一冊です。
それにしても、ビアズリー、クラークと来たので、次はシドニー・サイムとか出ませんかね・・・。
(追記)情報量は多いですが、誤記が散見されるのが玉にきず。
 例:P.266 太陽の東、月の西→ミニョン・ミネット
   P.224 パネル2は左からエーディン、ヘレネー、メイヴ、ファンド、ディアドラだったような。
 増刷時に直ると良いのですが。

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