ビックリするほどよくわかる記憶のふしぎ　眠っているときに記憶が整理される？ 記憶力を高める技術とは？ (サイエンス・アイ新書) の感想

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　２０１２年の本。著者は心理学博士で、ＭＰ人間科学研究所というところの代表である。
　曰く・・・
　過去の出来事や過去に覚えた知識を記憶する回想記憶と、未来のある時点にしなければならないことを記憶する展望記憶にはどうも関連がない。記憶のメカニズムが異なっているらしい。
　いまの心の状態によって過去の振り返り方が変わってくる。記憶は「いま」を映し出す。出来事はそのまま再生されるのではない。いまの心の状態が思い出される内容に反映される。
　超記憶症候群（記憶の天才）の場合、具体的細部の記憶に囚われ、重要でない情報を捨て去ったり、概括したり、抽象化することができないことも多い。細部を忘れることにも意味がある。
　覚えるべきことを深く理解しながら覚える方が記憶に定着しやすい。俳優が膨大なセリフを覚えられるのは、自分が演ずる人物についてしっかりと考え、その人物が発するセリフの意味を深く理解しようとするから。
　記憶内容は印象が強いので記憶に残りやすいが、それに比べると情報の仕入元である情報源は忘れやすい。参考情報を仕入れた時には、情報の内容だけでなくその情報源もメモした方がよい。
　みたいな話。

図解、説明のコンビネーションでプレゼンされて分りやすい。「海馬ー脳は疲れない」と合わせて読んだが、ちょうどよかった。