コケのふしぎ なぜコンクリートの隙間や塀に生えるの?原始的な陸上植物といわれるワケは? (サイエンス・アイ新書) の感想
参照データ
タイトル | コケのふしぎ なぜコンクリートの隙間や塀に生えるの?原始的な陸上植物といわれるワケは? (サイエンス・アイ新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 樋口 正信 |
販売元 | ソフトバンククリエイティブ |
JANコード | 9784797359312 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 植物学 |
購入者の感想
山歩きをすることがある。コケにおおわれた景色を楽しむということはあっても、足元の苔に目を落としじっと観察するということはこれまでなかった。写真がとにかく豊富で鮮やかで、眺めているだけで楽しく癒される。写真からロシア、ハアイなど文字通り地球上のあらゆる地域に分布していることがわかる。ネパールのヤクの糞の上に生えたコケの次のページは沖縄西表島のカラフルな準絶滅危惧種となっていて飽きさせない。東京の池上本門寺のその名もホンモンジゴケはお寺の銅イオンを無害化しているとのこと。それにしても海外だけでなく八ケ岳から街中の塀や水田などの身近なところまで著者はよく歩き回ったものだ。東大教授の著者は日本蘚苔類学会への勧誘も書中されているが、この書物を手にした子供がコケに魅入られて将来研究者となるのが希望ではなかろうか。あらゆるページからコケに人生をささげた男のコケへの深い愛情が伝わってきて圧倒される。少し生物学の解説では難解なところもあったが、文学やコケ料理など話題が広範に広がり、楽しく読ませていただいた。明日からは山道だけでなく、街の地面や石垣をよく見てみようと思った。自然に興味がる方であればどなたにでも本書の一読をおすすめします。苔の森を探索した後のような清涼な気持ちになる一書です。
何気なく目にしている苔。その種類の多さにまずは驚きました。大体は庭石の苔、森の奥の苔、京都の苔寺などポピュラーなものしか知らず、これはよく観察してみなければと思いました。オールカラーの本書はどこから読んでもとてもとけこみ易かったです。専門書のようですが、素人にも入りやすい入門書としては最適なのではと思いました。苔が身近に感じられた本でした。