樹皮ハンドブック の感想

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参照データ

タイトル樹皮ハンドブック
発売日販売日未定
製作者林 将之
販売元文一総合出版
JANコード9784829900222
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 植物学

購入者の感想

北海道にいると、
1年のうち半分は葉っぱがないもので、
樹種の同定のうえで樹皮や枝ぶりも大事になってくるのですが、
樹皮は、個体差も、歳の差も、けっこう大きいのです。

樹種ごとに1枚ずつしか写真を出さないような図鑑は即却下ですが、
若木、成木、老木ごとに1枚ずつ、3枚の写真が出ているのは、
著者自身の豊かな経験と、編集上の信念に基づくものでしょう。

樹皮ハンドブックをうたいながら、葉っぱが入っているのもいい。
(これは単に著者の趣味かもしれませんが)

本書があれば十分かというと、残念ながらそうは言い切れませんが、
難しい問題にきちんと取り組んで、一つの答えを出されていることを思うと、
減点はできませんし、する必要もないと判断しました。

私は20年来の植物愛好家ですが、この本は、樹皮の近影写真を集めた本として、植物関係の図鑑としては大変画期的・斬新な本だと思います。
原則として一種の樹木につき、それぞれ「若木」「成木」「老木」の三つの成長段階の樹皮写真を掲載して特徴を完結な文章で記してあり、樹皮から樹木の名前を知りたいという方々にはとても強力な味方となってくれます。また、樹皮の写真だけでなく、葉の縮小スキャン写真(写真の大きさは約2cm×2cm)も掲載されており、樹木を見分ける一助としてくれている点も良いと思います。さらに、学名、葉や枝のつき方(互生・対生等)、索引もしっかり載っています。
掲載樹種は158種。ウメ、リンゴ、モモ、カキ、カリンといったメジャーな果樹もしっかり載っています。また、街路樹として身近に見られる樹木の多くは網羅されているな、と思いました。(ただ、ミカンやナシはなかった。また、公園に時々植えられているフジ(藤)、東京ディズニーランドにたくさん植わっているオリーブの木の写真もありませんでした。)
「樹皮だけで(木を)見分けられるか」といった疑問への答えや、樹皮だけでは見分けが難しい種についてはちゃんとそのように注意書きがしてある(たとえばアラカシとシラカシなど)点は、著者の真摯な姿勢が現れていて、大変好感が持てます。
大きさは新書版(縦18cm, 横11cm)で、厚さはなんとわずか約6ミリ!! 重さも約110gと、携帯にもまったく苦になりません。写真のqualityも高いので、ただ眺めているだけでも飽きません。
著者は「おわりに」の中で、「筆者自身もまだまだ樹皮を勉強中の身」と述べておられます。著者の林将之氏はまだ30代。もうすこし樹種を増やしても携帯性は損なわれないと思われますので、今後樹種を増やして増補版ないし改訂版をお出しいただければ幸いです。普通なら「五つ星」をあげるところですが、今後のさらなるグレードアップ版(=> 完全な「五つ星」に値するものになるでしょう)の出版に期待を込める意味で、本書は、あえて限りなく五つ星に近い「四つ星」としたいと思います!!!
最後に、このような斬新かつ手軽な樹木図鑑を企画してくれた著者と出版社に感謝いたします。愛用させていただきます!!

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