コウノメソッドでみる認知症診療 の感想

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参照データ

タイトルコウノメソッドでみる認知症診療
発売日販売日未定
製作者河野 和彦
販売元日本医事新報社
JANコード9784784943531
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床内科 » 脳神経科学・神経内科学

購入者の感想

久々に見る名著。医師だけでなく介護者の方も読者に想定されているため、わかりやすい図式を用いて豊富な臨床例が示されている。
この著作では認知症治療のminimum requirementが惜しげもなく示されている。認知症治療には介護者の関与が必須なので、主にout patientを想定した本書は簡潔に認知症診療の最前線を示している。離散的な個々の具体例をの境界を埋めるものは、読者のイマジネーションであろうか・・・ 認知症診療は、まずはここからでしょう。

認知症の中核症状をセロトニン、ドーパミン、アセチルコリンの脳内物質のレベルからクリアカットに記述し、それらと認知症治療薬の関連性(アセチルコリンとドーパミンの拮抗作用等)を明示した著作は知る限り初めてである(使えない教科書的著作の数年先を行っている)。ATDとDLBでは脳内物質のレベルが異なった病態で、かつDLBには認知症治療薬過敏性がある。それゆえ治療方針・使用量も大きく異なる、が・・・今日の治療方針(2013)では同一処方が記載されているのには驚きを隠せない。これが認知症治療の現状なのか・・・。そういう状況にあって、本書では初回治療では何をすべきかなどをも明記しており、まさに”実戦”向きである。

現場に解かりやすい(介護者も読者と想定しているので)内容、広く(一見)浅くが本書の基本スタンスなので、安直なマニュアル本と誤解される場合もありそうな点が残念でならない(幅広い読者を想定すれば致し方ないが)。浅い読後感を持たれた方は、同じ著者による ”レビー小体型認知症 即効治療マニュアル” も合わせて読めば、この本のEBMの背景にある著者の臨床の分厚さ、そこまで言い切る根拠と著者の確信と覚悟の程度が解かる。レビー小体型・・・では、ATDとDLBの境界が何故不明瞭なのか(ATDは何故レビー化するのか・・)などもレビー小体の老人斑封入体仮説から考えれば合理性がある。ATD,DLBの鑑別が病理や画像でなく臨床診断に何故依拠し、どのように行うべきかが如何に重要なのか理解できよう。

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