蟲師(9) アフタヌーンKC の感想

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参照データ

タイトル蟲師(9) アフタヌーンKC
発売日2012-09-28
製作者漆原友紀
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

今年も蟲師の季節がやって参りました。第9巻です。

今巻でまず強く感じたのが、失うということ。今までの話でも常に描かれてきたことだと思うが、特に9巻では想うところがあった。「残り紅」の陽吉の幸せも、「水碧む」の涌太の命も、いきさつはどうあれ何かを失って手にしたものである。この2つの話は分かりやすくハッピーエンドとして描かれてはいないものの、心が温まるような感動と物悲しいような真実に、感慨深くなり涙が出た。
本編ともいえるギンコの過去の話「草の茵」。何にも持っていなかったギンコが生きる意味に気付き居場所を見つけ、そして蟲師と成った。この話もまた、失うことで見えてくる大切なことが描かれていたように思う。

失ったものと得たもの、今回個人的に感じたことはそういうテーマだった。
しかし、日本昔話とも言える名作品でありながら、「蟲師」教訓を押しつけられることはない。
この幻想世界の中に潜んでいる理を、それぞれに受けとめればいいのだ。

次読み返すときは何を想うだろうか。「蟲師」を読み終えて、ふと物思いにふける夜が好きだ。

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