仕事も人生も変わる「影響力のある」話し方: あなたの「伝える力」を劇的に改善する! (単行本) の感想

これから話すことへの合意をとる。
できるかぎり分かりやすく伝える。
相手の感情や信念に配慮して接する。
など、これって絶対大事だよな、
やっているようでやっていないよな、
という話し方、コミュニケーションの、
絶妙な勘どころ、基本ポイントが、
しっかり押さえられています。

文章もうまくて、とても読みやすい。

とくに若手のビジネスにはおすすめ。
読んでおいて絶対に損はないでしょう。

佐藤先生のセミナーは何度か受けたことがあります。
セミナーの内容はいたって実務的・実用的なものなので、
その内容自体も参考にはなるのですが、いつも驚かされることがあります。
とにかく話が上手で面白く、知的好奇心をそそられるのです。
「この人は話が本当に上手だなぁ」
「こんな風に話せたらいいなぁ」
と感じさせるのです。

話が上手といっても、アナウンサーのように「噛まずにしゃべる」だとか、政治家のように「堂々としゃべる」だとか、舞台俳優のように「ハキハキしている」だとか、声質や発声がよくて「声がよく通る」だとか、芸人さんのように「笑えるネタが多い」といった類のことではありません。
そうしたことも大切なのかもしれませんが、とにかく話がわかりやすく、自分が今、何を教えられようとしているのかが、非常にクリアになりつつ、まるで１対１で話をしているかのように自分の頭に浮かんだ疑問を解消していくような流になっているのです。

もちろん、ときにはジョークあり、ときには問題提起あり、ときには笑いあり、ときには感動ありと、それを計算してやっているのか、天然でやられているのかは存じ上げませんが、とにかく上から目線な嫌味がまったくなく、「いい話を聞いた」という満足感というか、勇気が出るというか、そういう気持ちにあふれるのです。

あいにくわたしは立場上、佐藤先生と１対１の商談をさせていただいたことはありませんが、この本を読んで、その一端を知ることができました。