陰陽師 螢火ノ巻 の感想

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参照データ

タイトル陰陽師 螢火ノ巻
発売日販売日未定
製作者夢枕 獏
販売元文藝春秋
JANコード9784163901596
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

陰陽師・安倍晴明とその盟友?源博雅が平安の都で見聞きする怪異を扱う、シリーズ物の短編。
展開が同じなので読みやすいのと、伏線を張って最後になるほどと思わせる結末、
短編ながらも季節や人の言葉でとても印象的な一文が入るところがとても好きです。
今回は道摩法師の話も多めで、視点が変わって楽しめました。

20年前から読み続けているシリーズですが、今作も安心して読めます。
作者のシリーズで残っているのは「キマイラ」「飢狼伝」とこれのみだそうです。
前者二作はいつかは終わるべき物語ですが、この作品だけはいつまでも終わってほしくない。

また作者が最近、蘆屋道満を前に出してきており、物語に変化が出てなお良くなっていることに気が付いた。
清明と博雅が清酒のようであれば道満は焼酎(どぶろくは言い過ぎか)のようなもので、それぞれに良い味がある。
清明は見た目品行方正だけど帝に対する物言いとか、博雅を遊ぶというかからかうというか、ある意味ひねくれていると思うんですが、道満はひねくれているようで実は生き方はまっすぐなんですよね。酒を報酬に出せばするりと聞いてくれるところとか、不老不死になったら酒の美味さが味わえぬ、と言い切るところとか。
作者も道満を気に入っているようで、年取ると男は道満の天衣無縫なところに憧れるのかもしれません。
まあ、清明も道満も両方陰陽師なのでどちらが話を引っ張ってもタイトルに問題なし。

いつまでも

「ゆくか」
「ゆこう」
そういうことになったのである。

であってほしいのである。

自分自身が年をとったのか、心境が変化したのかわからないですが、蘆屋道満に底知れぬくらい魅了されます。

清明と博雅のやり取りが好きで、読み始めた陰陽師です。

しかし、今は道満の「闇と情」に人間の儚さを感じ、魅了されています。

登場は場面は少ないですが、僕は道満を読むために陰陽師を読み直しています。

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