CAROLの意味 の感想

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参照データ

タイトルCAROLの意味
発売日販売日未定
製作者小室 哲哉
販売元KADOKAWA/エンターブレイン
JANコード9784047300774
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者

購入者の感想

正直な感想は小室さんならではの世界観が味わえます。内容の解読は1回では恐らく理解が出来ないかもしれませんけど読み返して2012年~のliveDVDを観ると謎が解けQUIT30で答がみつかると思います

 TM NETWORKのアルバム「CAROL」の世界観を,アルバム制作者である小室哲哉自身が物語として広げたという意欲作だ。「CAROL」が発売された1988年当時中2だった僕は,まさにTM NETWORKによって音楽の素晴らしさを教えてもらった世代だ。そして,「CAROL」の世界観に魅了され,その感動は未だに新鮮に感じられる。そんなTM NETWORKは,今年で30周年を迎え,新たな気持ちでこのアルバム「CAROL」を再構築している。すでに,アルバム「CAROL」を発売してから四半世紀が過ぎている。それでもなお,僕達や,そして小室哲哉自身が感じる「何か」があるのだろう。そして,何よりそれを伝えたいという小室哲哉の意思が,「CAROL」再構築の起動の原点になっているのだ。四半世紀前に,僕達の前に現れた「CAROL」という物語は,当時何を伝えようとしていたのか,そして,今何を伝えようとしているのか。それを見届けるために,僕達は時間と空間を越えて,運命的にこの小説に出逢うことになった。果たしてこの遙か離れた時間と空間は接続することができるのか。
 そんな思いでこの小説を読んだ。そして,読み終わった後の感想としては,正直「わからない」という気持ちだ。まず,この物語が何のために存在するのかがわからない。結論から言えば,小室哲哉は今の自分の気持ちを伝えるために,この小説を書いたのではないかと感じられた。自然に始まり,自然に終わっていく小説。その内容は,1988年当時の物語とは,あまり関係のないように思われる。「ガボール・スクリーン」というバンドの存在も,決してメインではなく,物語の付随的なものとしてしか登場していない。キャロルの姉や他の登場人物も散漫で,最後までその人格を把握することができなかった。本当に,小説として読むと,まったく不可解な内容だ。しかし,登場人物の発する言葉のいくつかに,小室哲哉自身の感情を表したものが随所に感じられた。例えば,次のようなものだ。
・「自分のなかにあるイメージをちゃんと理解できるのは,突き詰めると,自分だけなんだよ。コミュニケーションってことについて地球を俯瞰しながら考えて,とりあえず行き着いた結論は,喋っても,抱きついても,感情をあらわにして,笑っても泣いても,完全な共感って無いのかなってこと」

たとえば小説の文章だけを読んでそれが誰が書いたものかあてるのは難しい事だと思う。
よほどの作者のファンか、シリーズものか、文章に特徴があるか。

この小説は小室氏にしか書けない。小室哲哉という人間の記憶と経験が記録となって表れている物語だと思う。
言葉の綴り方や選び方も詩的で、抒情的で普通の小説ではあまり目にしません。
物語と言葉の難解さが、処女作という拙さからくるのか、溢れる彼の中の哲学から来るのかわかりませんが(たぶん両方なのだけど)
伝えたいこと、残したい言葉は明確で純粋で、最終的に彼の思想に心地よく飲み込まれてしまった感じです。
それは彼の音楽制作にも通じるのかもしれないけれど、
理解させたい部分と、謎にしておきたい部分がせめぎ合ってますね。

読み終わって、ゆっくりと本を閉じて、それからもう一度最初から読みたくなります。

この本に関してはもう何を書いてもネタバレになりますので
気になさる方はレビュー、というか公式ページ以外のネットを一切見ないほうがいいかと思います





そろそろ書かせていただきます

読み進めていくうちに
これは carolの意味 というより 小室哲哉の音楽の意味 なのではないかと思うようになりました。
フィクションとリアル、過去と現在、歴史と変えられない事実、自分自身のあるいは多くの人が体験した体験すること
そういったありとあらゆるこのSNS全盛の時代の人々のことを、多重的に、同時に、あるいは積み重なっていって、時制すらないまぜになって体感していく、小説なのかなんなのかよくわからなくなってくる不思議な本です。

そして3人の小室哲哉氏の存在を感じました。
本を進行していく小室哲哉、登場人物の口を借りて語りかける小室哲哉、それらすべてを俯瞰でみている小室哲哉。
随所に氏のアツい気持ちが隠しきれず見え隠れしますが
氏の本気が伝わる所では思わず涙がこぼれ落ちました。
クライマックスでも涙が溢れてとまらなくなりました。

付録付きの版には音楽がついています。サウンドトラックです。
聞きながら街を走ると、その見えてくるもの全てに物語があることをいやおうなく意識させられ
まるで景色が違って見え、音楽のチカラを体感させられました。

いままで味わったことのない、とても濃厚な体感をするのですが、
読み終わった後、突然、目の前に迫る現実とも向き合わせられてしまう不思議な本です。

こう書いてきましたが
読む人の背景によっていかようにもとらえられるのだと思います。私はオススメします!

ここからは氏のグループの音楽のファンとして書いていきます。
前書きを読んだ時点で、
今回ツアーでloudに加えられた一小節の意味や、99年relationツアー、ロンドン盤carolを思い起こしました。

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