Excelで操る! ここまでできる科学技術計算 の感想

昔読んだジョークで「殆どのExcelユーザーは全機能の5%以下しか使ってない」
というのを聞いた事がありますが、この本を読むと私もその一員だったと思い
知らされる羽目になりました。
つい最近、Excelで最適化のソルバーを使わなければならない案件があり、
ネットで調べたら使い方の説明とこの本の紹介があったのでマニュアル代わりに
買ってみたのがきっかけです。
買って開いて見たら、これまた凄い本だと気づきました。
改めて、Excelは行列計算に元々向いているソフトだと再認識しました。

ターゲットは数学屋ではなくて技術系サラリーマンや工学者でしょうか。
数学的な説明も勿論載っています（しかもこれが分かりやすい）が、基本的には
結果と具体的な計算方法のみです。（だから、数学屋には不向きです）
Excelで数式を打つ時にはセル内に数式が隠れてしまいます。
ただそれを表示させる設定にしても随分と見た目には分かりにくいのに本での
説明はどうするのだろう？と要らぬ心配をしてましたが、これまた面白い事に
独特な分かりやすい表現を採用しています。

私の主目的であるソルバーの使い方はたくさんの例題で紹介されてますし、
VBAの方が分かりやすい所はソースコードが載ってます。
Excelファイルもネットでダウンロード出来る様です。
ソルバーの採用している計算方法の違いも説明されています。
しかし、この本はソルバーや最適化を知っている人の為の参考書です。
最適化数学の入門書ではないので、全く知らない人は別の入門書で用途を
知ってからの方がいいと思います。
最適化計算を知らない人には、是非ともこの便利な機能を知って欲しい…