鳩居堂の日本のしきたり 豆知識 の感想

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一見、鳩居堂の商う商品カタログのようですが、
カバーに掲載されたセンスある画像の数々は、
単なる商品紹介ではないことを十二分に物語っています。

鳩居堂のイメージからするとポップな撮影ですが、
それがかえって和物の上質さを魅惑的に表現しています。
鳩居堂が監修しているだけに、実に入念に企画された一冊。

「しきたり」には、「ことわり」が必ずあります。
その「しきたり」に寄り添う「カタチ」の美しさが本書には横溢しています。
鳩居堂が商いしているのは商品だけではなく、
日本人が大切に育んできた文化でもあることは言うまでもありません。

章立ては以下の通りです。

第一章 季節の歳時
第二章 祝い寿ぐ
第三章 親しむ、遊ぶ
第四章 弔いごと
第五章 人生の節目
第六章 贈答の心
第七章 手紙、たより

商う商品を通じて、89項目のしきたりが簡潔な文章で紹介されています。
「不易流行」とは松尾芭蕉の言の葉ですが、
カタチに込められた「想い」が美しい画像を通して滲んでいます。

人生の節目を学び直すことは、人生が豊かになっていくように感じます。
創業350年の老舗が「こころ豊かな人生」を過ごすために提起した この「しきたり本」は、
多くの示唆に富んでおり、愛しくも役に立つ良書です。