バランスシートで読みとく世界経済史 の感想
参照データ
タイトル | バランスシートで読みとく世界経済史 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジェーン・グリーソン・ホワイト(Jane Gleeson-White) |
販売元 | 日経BP社 |
JANコード | 9784822250461 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
タイトルからは、バランスシートがいつどのような時代背景のもとに誕生し、それが現在まで如何に変遷していったか、という内容を想像していた。しかし、本書の主張はそれだけに止まらない。
15世紀末にイタリア人ルカ・パチョーリが発明したといわれる複式簿記は、その原型ほぼそのままに今日のビジネスシーンでも利用され、資本主義社会の発展に大いに貢献してきた。「正確に取引を記録する」「資本と配当を分別管理する」といった資本主義の基本を押さえていることが理由であるが、同時に、現在の会計基準で複式簿価が把握していない、環境破壊のコストが取引の中で配慮がなされていないことが今日の諸問題に繋がった、と筆者は見ている。であれば、その諸問題を複式簿価で押さえてしまえば問題が解決できる、としているのが本書のユニークなところである。タイトルからだけではとても想像できない内容だ。
序章は、唐突に1968年のアメリカ、ジョン・F・ケネディ上院議員(当時)の演説の引用から始まる。当時のアメリカの繁栄は、当然ながらGNP(国民総生産)に反映をされているのだが、ケネディはそれに疑問を呈している。“アメリカをGNPで評価するということは、大気汚染、タバコの広告、交通事故の犠牲者を運ぶ救急車をその勘定に含めることを意味する。”“その一方で、子供たちの健康や質の高い教育、遊びの楽しさは考慮されない。”“つまり、GNPは人生を豊かにするものを除外して国を評価しているのである。”
15世紀末にイタリア人ルカ・パチョーリが発明したといわれる複式簿記は、その原型ほぼそのままに今日のビジネスシーンでも利用され、資本主義社会の発展に大いに貢献してきた。「正確に取引を記録する」「資本と配当を分別管理する」といった資本主義の基本を押さえていることが理由であるが、同時に、現在の会計基準で複式簿価が把握していない、環境破壊のコストが取引の中で配慮がなされていないことが今日の諸問題に繋がった、と筆者は見ている。であれば、その諸問題を複式簿価で押さえてしまえば問題が解決できる、としているのが本書のユニークなところである。タイトルからだけではとても想像できない内容だ。
序章は、唐突に1968年のアメリカ、ジョン・F・ケネディ上院議員(当時)の演説の引用から始まる。当時のアメリカの繁栄は、当然ながらGNP(国民総生産)に反映をされているのだが、ケネディはそれに疑問を呈している。“アメリカをGNPで評価するということは、大気汚染、タバコの広告、交通事故の犠牲者を運ぶ救急車をその勘定に含めることを意味する。”“その一方で、子供たちの健康や質の高い教育、遊びの楽しさは考慮されない。”“つまり、GNPは人生を豊かにするものを除外して国を評価しているのである。”
タイトルだけですと、経済学的な著作に思えますが、中味は表題の通りとなります。
イタリアのルネッサンスと数学に興味のある人にとっては、中世から近世の幕開けと
なったルネッサンス期を会計学の祖パチョーリの伝記で読み解く形式で書かれた
本書は興味深い内容となっています。
ギリシャ、イスラム文化を吸収しヨーロッパ近代文明の基となった文化が生まれた
背景が良く分かります。今の世界を形作る資本主義を支える腹式簿記がベネチア
式腹式簿記と呼ばれた背景が良く分かります。
イタリアのルネッサンスと数学に興味のある人にとっては、中世から近世の幕開けと
なったルネッサンス期を会計学の祖パチョーリの伝記で読み解く形式で書かれた
本書は興味深い内容となっています。
ギリシャ、イスラム文化を吸収しヨーロッパ近代文明の基となった文化が生まれた
背景が良く分かります。今の世界を形作る資本主義を支える腹式簿記がベネチア
式腹式簿記と呼ばれた背景が良く分かります。
題名と書評からは、複式簿記の仕組みをもとに、国民所得の概念は形成され、現在、国富の計測に使われていること、しかし複式簿記には・・・という限界があり、それに基づいた国民所得の把握にも・・・という限界がある、従って、大気汚染、タバコの広告、交通事故の犠牲者を運ぶ救急車までもが国民所得の勘定に計上されるという、理不尽なこととなっている、・・・・等々
という内容を期待したが、まったくの期待外れだった。
書かれているのは、複式簿記の発明にまつわる歴史の周辺の話。 後半はエンロンの不正経理なども書かれているが、内容は薄い。
結局、どういった視点から見ても踏み込み不足。 とくに、会計のプロフエッショナルな内容を期待している人にとっては、目新しい視点はなく、まったくの期待外れ。
という内容を期待したが、まったくの期待外れだった。
書かれているのは、複式簿記の発明にまつわる歴史の周辺の話。 後半はエンロンの不正経理なども書かれているが、内容は薄い。
結局、どういった視点から見ても踏み込み不足。 とくに、会計のプロフエッショナルな内容を期待している人にとっては、目新しい視点はなく、まったくの期待外れ。