蟲師(6) アフタヌーンKC の感想

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タイトル蟲師(6) アフタヌーンKC
発売日2012-09-28
製作者漆原友紀
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

珠玉。
人々が遭遇する怪異などの原因が、通常の人の目には見えない「蟲」というものにあり、「蟲師」はそれを飯のタネにしている。蟲師と蟲の関係にしても、活かしたり殺したりと、そのかかわり方もさまざま。
設定とストーリーがしっかりと噛み合っており、物語にはそれぞれ結末が用意されていて、上っ面の雰囲気で流して終わりといった話ではない。
この作品から受ける印象の多くは、主人公の蟲師ギンコのシニカルささえ合わせ持つ人生観を根底としていて、決して表街道を生きることができない人達の、ある意味さばけた空虚さが上手い。
絵柄は墨絵のような味わいがあって、この手の世界を描くためにあるかのようなハマり具合で、頭一つ飛び抜けている感がある。まさに筆画きかと思わせるような画面もあり、作者の独特なセンスが作品の隅々にまで溢れている。
広がりよりも深みを持った、この物語りの放つ「てざわり」は、恐らく日本人にしか理解できないんじゃないだろうか。
いわゆる「ナウシカ」のようにワールドワイドなものではなく、とてつもなく曖昧な、むしろ今の日本が忘れようとしている「ほのぐらい部分」に、さらに「ほのかな光」を当てているような作品。
遠野物語などの世界を理解できる人ならうってつけ。
アニメ化そのものはめでたいことだが、紙という媒体の力を遺憾なく引き出せる作品であるからこそ、作者にはこれからも、「ほのぐらい光」という匙加減を忘れないでいて欲しい。

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