ヴィンランド・サガ(5) アフタヌーンKC の感想

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参照データ

タイトルヴィンランド・サガ(5) アフタヌーンKC
発売日2012-09-28
製作者幸村誠
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

主人公トルフィンの成長を縦糸に、ヴァイキングとイングランドとの抗争を横糸に織り成される長編マンガの第5巻目。何とかネタバレにならないように書きます。
前巻で明かされたアシェラッドの望みとひ弱なクヌート王子とのちのクヌート大王との落差、この両者が徐々に結びついてくる。
それにもまして本巻はトルフィン、アシェラッドそしてビョルンまでおいしいところありまくりの怒涛の展開である。追いかけるトルケルと、脱出しつつ中央政局もにらまざるをえないアシェラッドの間での心理的肉薄のドラマがえらいことになっており、トルケルVSアシェラッドもトルケルVSトルフィンもないのだが、本格的戦闘なしでも異常な盛り上がりを見せる。
一方でちょっとアシェラッドに見せ場取られすぎかな?という主人公トルフィンは次巻以降にさらなる見せ場期待か。
本作と前作『プラネテス』に通底するテーマのひとつは、自己実現とヒューマニズムの相克だろう。人殺しを何とも思わないヴァイキングにヒューマニズムなどあるわけがないと思いきや、彼らには彼らなりのルールやエシックスがあり、それを通して我々現代人があたりまえと思っていることが実は特殊なのではないかという「日常への疑い」を抱くことができる。キリスト教化されていないヴァイキング、という描写がしばしば出てくるが、現代の第一・第二世界は日本も含め、キリスト者でなくても西欧文明の価値観を受け入れている時点である面でキリスト教化されているのである。恋愛感しかり、ヒューマニズム=個人の尊重しかり。ちょっと自分の立ち位置を考えさせてくれる、こんなマンガがあってもいいではないか。人殺しばかりの陰惨なマンガと敬遠せずに読んでみて欲しい。

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