LUCY/ルーシー [DVD] の感想

人類のテーマについて
深く考えさせられるテーマを描きながら
もう一方では　わけのわからんマフィア達との
小競り合いを織り交ぜるから
全体的なテーマが貧そなものに感じられる

★人間の脳は10%しか機能していないらしい…。もしも脳が100%覚醒したとしたら、どうなるか。

そこでリュック・ベッソン監督は、ごく普通の女性の脳が目覚め、やがて暴走するという、この非常に興味津々な仮定に挑んだSFアクション。

舞台は台北。マフィアの闇取引の運び屋にされたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、腹部に袋入りの薬品を詰めこまれるが、暴行を受けて体内の薬品が濡れ出し、同時にルーシーの脳に異変か起きる。

信じられない驚異の能力を手に入れる。自分がどうなるか悟ったルーシーは、脳学者のノーマン博士(モーガン・フリーマン)にコンタクトを取ってパリへ向かう。

一方のマフィアも、消えたルーシーを執拗に追跡する。ルーシーの覚醒の状況経過とその顛末を描いたお話は、歴代のリュック・ベッソン監督作品に、薬物によって恐るべき能力を得る映画『リミットレス』と、科学者の頭脳がコンピューターにインストールされるというジョニー・デップ主演作『トランセンデンス』を融合したような趣向である。

１時間で外国語をマスターするぐらいまでは、自分たちの地続きの感覚が何とか保たれている。だが、時間をコントロールするなど、どんどん人間性を失って暴発的拡大していくルーシーは現実を支離滅裂に超越し過ぎていて、そのあまりにもご都合主義の極みな展開に筆者はスッカリ置いてきぼりをくらってしまった。ヒロインのスカーレット・ヨハンソンも体質的にあまり好きになれないのも手痛いマイナス★。