絵とき 百万人の電気工事 の感想

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電気工事士試験対策の参考書・テキストでは、実務的な工事技術は身につけにくいと思います。つまり、電気工事士の試験に合格しても、実際には簡単な電気工事すらできない免許だけなペーパー工事士・実務的に使えない工事士も世の中少なくないはずです。今出回っている『電気のトラブル』などという名の本のほとんどが受電設備や発電設備といった内容で、新米電気工事士向けというより新米電気主任技術者(電験)向けというのが実情です。この本は電気工事に使う専門的な道具や工具の使い方を中心に工事の作業手順が詳しく書かれていますから、他に類いが無いという意味では新米電気工事士対象の本です。この本は図や写真がモノクロなので、カラーや写真を交えて欲しかったということと、また、新米工事士向けの本なのですから、工事トラブルQ&A(1.突然部屋の照明が切れたがスイッチを入切してもうまくつかない、2.例えば厨房のコンセントが油等が染み込んだために劣化してコンセントが焼けている→設備的にはどんなトラブルが考えられるか、復旧にはどう対処すればよいかの技術的解説)とか、ブレーカーや安定器の取り替え方やコンセントの増設の仕方(一般家庭・商店、ビルによっては対象やり方や順序が異なる)、エアコンや洗濯機の取り付け方・アースの取り付け方、メガーの使い方といった、一見電気工事士の試験合格者・免許所有者なら誰でも当たり前にできそうでペーパー工事士には意外にできない工事法(電気工事士の試験対策用テキストにはほとんど載っていないため)も取り入れて欲しかったです。恐らく、電気工事士の免許を取得したら電気工事屋に就職したいと考えている駆け出しの電気工事士にとっては、そのような初歩的技術解説書がことが書いてある本やDVDを期待していると思います。