エンニオ・モリコーネ/モリコーネ・コンダクツ・モリコーネ ミュンヘン・コンサート2004 [DVD] の感想

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こんなに素晴らしいコンサート映像が930円で入手できるとは…。
モリコーネの音楽は、その旋律にも心惹かれるが、「モリコーネ節」としか言いようの無い独特のハーモニーみたいなのがあって、なんだか心を締め付けられるような郷愁や、安らぎ、癒し、そんなのが混ざった何とも言えない気持ちになります。自分にとって、その最大の作品は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」な訳ですが、本作でも本当にこの曲を聴いていると心がどこか違うところへ持っていかれてしまうようです。危ない、危ない。
その他、知らない曲も多いのですが、どの曲も興味深く聴けます。脇目もふらず、ストイックにタクトを振り続けるモリコーネの姿から人柄も読み取れるよう。
それにしても、圧巻は最後の「ミッション」。ラストのさまざまな旋律が、コーラスと高揚するオケとで何層にも重なりながら、ひとつの音楽として堂々と奏でられる、この計算され尽くした世界。凄いです！！こんな演奏、モリコーネにしかできないと思います。
という訳で、モリコーネの世界、極上の音楽に遊べる至極の一枚と思います。欲を申せば、「1900年」の演奏が無いのが少し残念ではあります。

演奏会・ＣＤの売り上げで生計を立てる人ではないので、やむを得ないのかもしれませんが、モリコーネの性格なのか、人柄なのか、従来からやりたかった事なのか、クラシック・コンサート風で、馴染みのない曲も少なからずあり、聴衆を楽しませるエンターティンメント性に欠けた内容と感じました。
ソプラノ歌手よりも、ドイツで活躍しているミレイユ・マチューをゲスト・シンガーとして登場させたら、大いに盛り上がったことでしょうに・・・、彼女のお年から考えて無理かもしれませんが、残念です。
一曲、または、ニ三曲、演奏が終わる毎に拍手を求めず、前半では１０曲以上連続して演奏する、その真面目な姿勢に好感がもてました。

音楽だけでも十分に感動します。日本語の表記番号に不具合がありますが、それはどうでもです。ＬＩＶＥの感動がつたわります。バイオリンのソリストには拍手、どこからあの美声がでるのか、ソプラノに感動しました。是非おすすめします。