よくわかる電力取引入門 の感想

5年以上も前に書かれた本だが、
現在でも非常に有用な本です。

特に、電力システム改革に伴って
電力事業に参入しようとする方にとっては
まず読むべき一冊でしょう。

基本的には「電力取引」のことについて
書かれています。
電力を商品として扱った上での取引なので、
金融取引について一定の知識が必要。
これに関しては巻末に補足資料があるので、
それで補い、他の書で学習すべきと思います。

ただし、電力取引に関連する、
卸電力市場（JEPX)の概要や取引の種類、
PPS事業者に必要な業務機能なども
書かれているので、対象はやはり
「電力事業に参入したい初心者」
というところでしょうか。

ちなみに、執筆時点の「構想」も書かれており、
著者の会社がその分野で伸長し、上場したことを考えると、
ある種の、ミッションステートメントの発表だったのかも
しれないと想像しています。

ただし、「事実と解説」と「構想」が混じっているので、
初心者には若干混乱を招くかなということで
☆ひとつマイナスです。

取引所取引と相対取引。日本卸電力取引所について知りました。

電力会社間連系線については、中部、新信濃、佐久間。東北、相馬双葉幹線などの図がある。

自分が取引の担当者ではないので、あまりにも知らないことが多いことを知りました。
実際に取引しようとすると、まだまだ課題があるのかもしれないと感じました。