11/22/63 上 の感想
参照データ
タイトル | 11/22/63 上 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | スティーヴン キング |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163824802 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
ここ最近のスティーブン・キングは初期の頃の勢いが甦ってきたかのように,まさに代表作と言える大作を連発しています。
本作は,「アンダーザドーム」同様,70年代にすでにアイデアを持っていたが技術的な問題で頓挫していたといいます。
過去に遡り大統領暗殺を阻止する,という設定だけを聞くと,なんだかありきたりな感じを受けてしまいますが,そこはキング,数多くある他作家のタイムトラベルものと比べても最上の部類に入る内容だと思います。
また,本書を読んでいて思い出したのは,70年代のキングの代表作「デッドゾーン」です。
「デッドゾーン」では,未来が見える主人公が,将来大統領となってアメリカをだめにしてしまう候補者を暗殺しようとする物語でしたが,本書は,1958年の世界に行くことで,その世界から見れば未来である1963年のことを知る主人公が,大統領暗殺を阻止する物語なので,どことなく雰囲気の類似点を感じます。
本書において,まず面白いのは,兎の穴と呼ばれるタイムトンネルの設定です。
兎の穴を抜けると,そこは1958年9月9日午前11時58分。
そして,一旦現在の世界へ戻り,もう一度穴をくぐると,やっぱり1958年9月9日午前11時58分。
穴の向こうは,いつも決まって同じ時の同じ時間なのです。
更に,面白いことに,トンネルに潜るたびに,前回の過去への旅で起こったことがリセットされるのです。
つまり,過去の世界で大変な苦労をして何かをなしとげて現在に帰ってきても,再び過去への穴をくぐると,それまでになしたことがすべてリセットされてしまうのです。
また,過去を変えようとすると,まるで過去を変えることを望まないなにかが存在しているかのように,必ずなんらかの障害が発生します。
たとえば車で移動しようとしたら急にタイヤがパンクしたり,自分の体調が悪くなったり,といったようなことが,立て続けに発生するのです。
やはり過去は変えられることを望んでいないようです。
過去は非常に強情です。
本作は,「アンダーザドーム」同様,70年代にすでにアイデアを持っていたが技術的な問題で頓挫していたといいます。
過去に遡り大統領暗殺を阻止する,という設定だけを聞くと,なんだかありきたりな感じを受けてしまいますが,そこはキング,数多くある他作家のタイムトラベルものと比べても最上の部類に入る内容だと思います。
また,本書を読んでいて思い出したのは,70年代のキングの代表作「デッドゾーン」です。
「デッドゾーン」では,未来が見える主人公が,将来大統領となってアメリカをだめにしてしまう候補者を暗殺しようとする物語でしたが,本書は,1958年の世界に行くことで,その世界から見れば未来である1963年のことを知る主人公が,大統領暗殺を阻止する物語なので,どことなく雰囲気の類似点を感じます。
本書において,まず面白いのは,兎の穴と呼ばれるタイムトンネルの設定です。
兎の穴を抜けると,そこは1958年9月9日午前11時58分。
そして,一旦現在の世界へ戻り,もう一度穴をくぐると,やっぱり1958年9月9日午前11時58分。
穴の向こうは,いつも決まって同じ時の同じ時間なのです。
更に,面白いことに,トンネルに潜るたびに,前回の過去への旅で起こったことがリセットされるのです。
つまり,過去の世界で大変な苦労をして何かをなしとげて現在に帰ってきても,再び過去への穴をくぐると,それまでになしたことがすべてリセットされてしまうのです。
また,過去を変えようとすると,まるで過去を変えることを望まないなにかが存在しているかのように,必ずなんらかの障害が発生します。
たとえば車で移動しようとしたら急にタイヤがパンクしたり,自分の体調が悪くなったり,といったようなことが,立て続けに発生するのです。
やはり過去は変えられることを望んでいないようです。
過去は非常に強情です。