もうひとつの核なき世界 (小学館文庫) の感想

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参照データ

タイトルもうひとつの核なき世界 (小学館文庫)
発売日2014-08-05
製作者堤 未果
販売元小学館
JANコード9784094060737
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

「貧困大国アメリカ」シリーズで有名な堤未果さんが福島第一原発事故の4か月前に刊行した本の文庫版。
この時点で「原発と原爆は双子の兄弟」だという指摘をしているのはさすがだと思い、帯文を見て手に取った。
堤さんの本なら間違いないだろうと思い購入したが、やはり読み応えのある素晴らしい内容だった。

「核なき世界」を発言してノーベル平和賞をとったオバマ大統領を日本人は称賛した。
だがそのアメリカ国内では湾岸戦争やイラク、コソボなどでで被爆した兵士たちが
今も多くの症状に苦しんでいる実態がある。
劣化ウラン弾がオバマのいう「核兵器」に含まれていないとしたら、核廃絶とはいったい何を指すのか。
そして、現在の科学力では放射性物質の安全な廃棄法が見つかっていないのに、一体どうやって核を「なくす」ことができるのか?

この本には他にも驚きの事実が満載である。
「核」についても「原発」「被爆者」「歴史教育」についても、何といままで知らなかったのだろうと思わされる。
センセーショナルな報道や個人にのみスポットを当てた「点」の報道では見えてこない真実を、「面」として描き出す著者の筆力は、
「貧困大国アメリカ」その他の作品でも感じたが、非常に秀逸だ。

巻末文を書いている元防衛官僚で小泉政権でのイラク派兵担当だった柳沢協二氏の文章も非常に興味深い。
(柳沢氏は徹底して市民の側に立つ著者の視点に言及している)。

真実を追究することなしに思考停止することの怖さを教えてくれる。
社会を動かす「システム」に対して、我々市民はあまりに無力だ。
しかし、真実こそが私たちの武器なのだ。

個人的には原爆展を開催しようと尽力したアメリカ航空博物館の館長の言葉が胸に残った。

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