ビゼー:歌劇「カルメン(全曲)」 の感想

マゼール指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、合唱団　1970年収録。
キャスト：カルメン／アンナ・モッフォ(s)、ドン・ホセ／フランコ・コレルリ(t)、ミカエラ／ヘレン・ドナート(s)、エスカミーリョ／ピエロ・カプッチッリ (br)。

美人ソプラノ、モッフォがカルメンを魅力的に演じています。妖艶で情熱的。独特の暗めの声がここではとても生きていて、自分の理想に近いカルメンです。コレルリのドン・ホセは言うまでもなく、若いカプッチッリの美声でエスカミーリョが聴けるのもうれしい。
マゼール率いるオケは、歌手の声とのバランスも良く、聴きやすい仕上がりになっています。唯一、台詞が歌手の声とかけ離れていることに違和感がありますが、台詞そのものが少ないので、それほど気にはなりませんでした。
作品解説に加えて黒田恭一氏の鑑賞ノートの記載あり。全対訳から演奏者のプロフィールに至るまで、かなり詳しい78ページにわたる日本語ブックレット付きの親切仕様。