Hard Choices の感想

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タイトルHard Choices
発売日2014-06-10
製作者Hillary Rodham Clinton
販売元Simon & Schuster
JANコード9781476751443
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

前アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンが国務長官時代を振り返った自伝で、アメリカでは一般的に2016年の大統領選挙に向けての準備と捉えられている。

オバマ候補とヒラリー・クリントン候補が戦った2008年の大統領選挙の予備選は熾烈なものであり、それを描いたGame Changeというノンフィクションがあった。その本の終盤に、民主党を二つに引き裂いた血みどろの予備選が終わったときには視線を合わせることもないほど嫌いだったヒラリーにオバマが国務長官になってくれるよう懇願する場面があった。断るつもりだったヒラリーが国のために引き受けることを決意した場面に胸が詰まったものだが、本書Hard Choicesはその場面から始まる。とはいえ、これはヒラリーの視点である。

互いにわだかまりを抱いていたヒラリーとバラクの二人がダイアン・ファインスタイン上院議員の仲介でワインを片手に向かいあう場面は、Hard Choicesの中で最もヒラリーの本音が露呈している部分といえるだろう。それ以降は、優等生すぎる解説になってしまう。

だが、書物としてのHard Choicesの最大の欠陥は、ヒラリーの長所、つまり政治家としての賢明さと外交手腕でもある。つまり、諸外国のリーダーや国内の政治家に対するフラストレーションを書いても、国家間の緊張を高めたり、これからの外交をやりにくくするほどの本音は言わないのである。国内外の影響を考えつつ書いているのがよく分かる。

ゆえに、読者はヒラリーの本音を推察するために「行間を読む」癖を身につけなければならない。たとえば、プライドが高くて身勝手な中国を牽制するために、日本と韓国が(争わずに)手を組んで米国の「仲間」でいてもらいたいという本音は、記述が少ないにもかかわらず、あちこちで感じた。ヒラリーが国務長官として最初に訪問したのも日本だし、最後のほうに安部首相へのリップサービスもあるので、日本を重視していることは確かである。

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