アダム・スミスとその時代 の感想

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タイトルアダム・スミスとその時代
発売日販売日未定
製作者ニコラス フィリップソン
販売元白水社
JANコード9784560083697
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

「共感」や「胸中の裁判者」の概念に触れ、
単に周囲(世論)に流されて、物事を決めるのではなく、
自分で勝手に決めるのでもなく、
周囲(世論)を見て、かつ自分で決めることが大切。と思うようになりました。

その上で、「自分が正しい事をして生きている」という道徳的な確信は、
思ったよりも、自分の人生を豊かにしてくれる気がするようになりました。
複雑な世の中、絶対的に正しいものが見えにくくなっているからこそ、
バランスの取れた見方が必要で、そのためのヒントを
「共感」や「胸中の裁判者」の概念は与えてくれると思います。

また、「評伝」であるため、アダム・スミスの著作(道徳感情論・国富論)が
どのような背景で成立していって、どのように評価されていったのか?
ということが良く分かり、結果、著作への理解が深まったような気がします。

アダム・スミスの誤算 (PHP新書―幻想のグローバル資本主義 ) 佐伯 啓思
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書) 堂目 卓生
上記、著作を読み返してみたくなりました。

一番知られてるが、一番読まれてない本が『諸国民の富』らしく、確かに、"Das Kapital" と同様、有名だけど一節しか知らない、とか読み始めたけど読了した例ない、それが実態。解説本、要約図解みたいなのは、『原論』で多くの人見てると思うのです。自分的には、MIT Pro. Samuelson がテキスト、古いですw。「新自由主義」とか言って、やたら喧しかったヤツ居て、あ!訳者の同僚ですねw、微塵も「人間」なること感じられず、自由経済ってそんなか?と懐疑抱懐。本書、その淵源たるスミスを、「人間的な、あまりにも人間的な」(これはあくまで比喩、キャッチです)人と叙述しているのです。『道徳情操論』って著作あるのは既知、だけど手にしたこともなく、「道徳論」からいろんな発想出てるんだぜ的な解説読んだこと、この本で想起しました。考究・論究した分野、人交わり、論争、知られている事跡は、まさに啓蒙のトップそのもの、単なる「経済学者」ではなく「人間」学者、目の付け所ってか、思考の深さが余人と隔絶、天から才が降りて来るとの文字通りの「天才」、しかし魅力ある人なのです。本書の所論記す力量無いですが、叙述に核心めいた一節あって、引いときます。『哲学的な思考の糧は、諸々の事象をつなぐ見えない鎖を発見する快楽』って箇所。それにしても思うのは、中世以来の『三学、四科』のこと。スミスもそうですが、百科全書派とか、スミスと正反対の変人「万有引力」に気付いた御仁も、凡そ知識人と言われる人、これを修め、諸学に通暁するのが当然とされて、所謂 "Liberal Arts"、物事、事象を観るにはこれが基本なんだってことです。但し、巷間の謂い「旧制高校」的な教養主義ではなくて、"Humanite" これのことなんですが。

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