続巷説百物語 角川文庫 の感想

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参照データ

タイトル続巷説百物語 角川文庫
発売日2014-08-25
製作者京極 夏彦
販売元KADOKAWA / 角川書店
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

前作に「巷説百物語」があります。
絶対にそちらから読むべきでしょう。
順番を間違えると趣が激減します。

前作を受けての作品ですが、どんどん仕掛けが大掛りになってきます。
仕掛け側の登場人物の来歴が事件に絡み始め、個人的な行きがかりを清算するための仕掛けが始まって行きます。
前作ほど軽く読めません。重いです。
読者が感情移入するはずの百介も、同様に覚悟を求められるからでしょうか。
生半可な覚悟で後ろ暗い世界にかかわってはいけないと。

ただ、百介の覚悟とは無関係に又市たちは又市たちで別のレベルで覚悟を決めて、仕掛けを進めていきます。
「勝負」「善悪」とは異なる軸で事件が終わるので、爽快感がありません。
とても大きな喪失感が読後にやってきました。
ぽつんとひとり「どうしたらいいんだよ?」という状態で取り残された感じでしょうか。
一作目は軽く面白く読み始めたのに。「どうしてくれる!!」百介もそんな気分になったんだろうなと思ってしまいます。
「最初は面白くてかかわったし、役にも立ったじゃないか!!これから先心にあいた穴をどうしてくれる!!」と。

ここまで感情移入させて読ませるなんて、やっぱり京極氏の豪腕としか言いようがありません。
このシリーズの中では、読み物としての面白さは一番です。
ただ、一作目に感じた爽快感でとめておきたいなら、本作には進まない方が良いでしょう。
喪失感、飢餓感が植えつけられてしまいますし、続編「後巷説百物語」でもこの喪失感は癒されないのですから。

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