逆転の英文法―ネイティブの発想を解きあかす (NHK出版新書 445) の感想

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参照データ

タイトル逆転の英文法―ネイティブの発想を解きあかす (NHK出版新書 445)
発売日販売日未定
製作者伊藤 笏康
販売元NHK出版
JANコード9784140884454
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 英語 » 英文法・語法

購入者の感想

至極まともなことが書いてある本。だだ,この本は,大学で英語を専攻している学生や,すでにそこそこ英語が使える人が読んで,すでにある知識をすっきりと整理し直すための本だと思う。序章で展開される「(定型) 訳語主義」批判は的を得ている。いわゆる英作文では「英語らしい文」「自然な文」が要求されるのに,英文和訳の日本語の不自然さに平気なダブルスタンダートにあきれている人は,わが意を得たりと思うのではないか。第一章の冠詞のつかない普通名詞の議論は間違いではないが,失敗だと思う。犬の概念がどうのこうのという哲学的論理学みたいな話になってしまっている。第二章の冠詞の話も,the を使う時,話しては聞き手に「ある特定の個体を絞り込め」と要求しているのだというのは,見事な説明なのだが,すでに the の使われ方にかなり習熟していないと,ピンと来なのではないかと危惧する。このほか,単純形と進行形の関係や,過去自制と完了時制の話もあるので,中級以上の学習者にはとても役立つと思います。

私は☆5つを付けたいと思います。理由は2点で、1点目は、冠詞の理解に新しい視座をあたえているところです。新書ということで紙面の都合でしょうか、普通名詞の取り出しという概念と冠詞についてに絞られて説明されていますが、新鮮です。例えばdogという普通名詞は、私たちの生活の中の、どこで使用されているでしょうか。おそらく辞書の見出しと、教科書の単語欄ぐらいではないでしょうか。lionなら博物館のネームプレートということもありそうですが。つまり、教科書の単語欄のdogだけでは、個体としてのイヌを指せないということです。2点目は、動詞の現在形、進行形、完了形の説明の中に、従来型の説明の限界を超えるものや、深く納得できるところがあるからです。例えば、高校生向けの学習参考書などでよくみられる現在完了形の3つ(4つ)の用法による分類に、限界を感じたことはないでしょうか。この本では、用法の羅列や訳語からの説明の限界や誤解から脱し、一括したイメージが持てる説明になっています。また、それが図で示されているところがすぐれものだと思います。また、動詞の現在形、進行形、完了形が、それぞれの守備範囲を持ち、それぞれがうまく役割分担をもっていることも、これまた図で説明されているので、深く納得できます。それぞれの概念が、図で説明されているので、頭の中の整理にも役に立ちます。そういう意味でもこの本を一度読んでみる価値は十分あると思います。

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NHK出版から発売された伊藤 笏康の逆転の英文法―ネイティブの発想を解きあかす (NHK出版新書 445)(JAN:9784140884454)の感想と評価
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