この世この生―西行・良寛・明恵・道元 の感想
参照データ
タイトル | この世この生―西行・良寛・明恵・道元 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 上田 三四二 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784103546016 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
本書は、西行、良寛、明恵、道元の足跡を記した史伝ではない。医師であり作家であった著者が、大患を得て死と向き合い心で格闘した軌跡である。それは宗教に縋り信仰に救いを求めたのではない。4人の高僧はいずれもタイプが異なるが、死を冷静に飲み込みながら、両手足でしっかり現世を抱え、現世を浄土たらしめんと懸命に生き抜いた先駆者と捉らえている。どこまでも、現世での生命を明々と燃え輝かしきろうとすることによって、死を怖れずもがき逃れるのでもなく、毅然と死を受け入れ乗り越え、生を全うしたのである。地上一浮にかび上がり生き抜こうとした魂の叫びである。