主婦を休んで旅に出た よくばり世界一周! 上 (朝日コミックス) の感想

旅情があんまり感じられないかも…。
どこへいっても次の飛行機のスケジュールに縛られて、とにかく時間が無くって、飛行場や目的地にどうにか急ぐ話ばかり。
やっぱり半年間で世界一周は無理があるような。。。
せめて1年間くらいないと厳しい気がします。

やはりこの方は「お母さん」ですね。
日本に家族がいるから、半年でどうしてもスケジュールをこなさなければならない。
その急ぐようすが、海外に居てもなんだか、学堂や保育園のお迎えに急ぐお母さんを彷彿とさせます。

家族や仕事がある身で、もし世界一周を断行したら、やはりこの方のようになるんだろうなと現実味を感じました。
学生や若いころの世界一周の船旅みたいな時間の使い方はできませんものね。
いつかリタイアしたら出来るのかな…？

20代~50代くらいの仕事をもつ人間が、もしいま世界一周に無理やり行ったとしたら、どんなスケジューリングになるのか
非常に参考になります。

あとは、この作者の方が、旅行先に対して「どうしてもここにいってみたい」という思い入れが薄い。
日本にいた時から思いこがれていた土地にいって感激する、といったエピソードもあんまりでてこないので
ちょっと旅物語としては「薄っぺらい」です。

世界一周航空券を使っての節約個人旅行の漫画です。
英語で話して現地の人のお世話になる事も度々で、旅行会社のツアーではできない体験も数多く描かれています。
ヨーロッパ編がさらりとしか描いてないのが少々残念ですが、そこらへんの旅行漫画より情報量も多く、マイナーな世界遺産も紹介してあってためになりました。
作者の方は人並み以上の体力・度胸・悪運がおありのようでよく無事に本を出版できたなーと思いました（あわや食中毒や強姦被害者に…セクハラはこれでもかというほど遭ってます）。