ビジネスマンへの歌舞伎案内 (NHK出版新書 446) の感想

最近歌舞伎に興味を抱いて初心者向けの本を探していました。そして、出会ったのが本書です。

歌舞伎の蘊蓄という訳ではありません。著者も記していますが、成田国際空港での入出国のやり方の説明に近いガイド本です。でも、この種の本を自分は探していたので、今の自分にはピッタリな本だと思いました。歌舞伎についての考え方はさまざまだと思いますが、本質は舞台を自分で見て感じるものだと思います。でも、良い席は金額が高く、敷居は高くて近寄りがたいのも事実です。数多く自分で見て、いいもの悪いものを自分で判断したいとは思いますが、やはり失敗を恐れる気持ちから、本書の様な初心者向けのガイド本はとても助かります。

歌舞伎の世界に居られる方でなく、歌舞伎を多く見たファンの立場で書かれているのがとてもいいです。でも、「ビジネスマンへの歌舞伎案内」とタイトルしながら、「歌舞伎を仕事に役立てようなどとは、ゆめゆめ思わないことだ。決して役立てないくらいの気持ちで、歌舞伎座に足を運ぶくらいがちょうどいいのだ」と言われている通り、タイトルと内容が微妙にずれているので、星ひとつ下げて、星４つとしました。歌舞伎初心者には手に取り易い良書です。

　完全初心者の中年男性向け、歌舞伎入門書です。
　なぜ中年男性にすすめるかというと、たいていの男性は初老になってから歌舞伎を見始めて、「あ、もっと早くから見ておけば良かった」と思うのだから、まあ、３０代から見ましょうよというおすすめ。

　間違いも散見しますが、初心者にわかりやすくざっくり説明するために例外を取り落としたり、ちょっとした勘違いがあったりするだけなので、特に問題はないでしょう。
　しかし歌舞伎をある程度知っている人には物足りない本かも。