家族看護学―理論と実践 の感想
参照データ
タイトル | 家族看護学―理論と実践 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鈴木 和子 |
販売元 | 日本看護協会出版会 |
JANコード | 9784818016972 |
カテゴリ | 医学・薬学・看護学・歯科学 » 看護学 » 基礎看護学 » 看護理論 |
購入者の感想
ともかく全部読んだ。量が中途半端じゃない!驚いた。豊か。それに実践的だ。看護師達は患者さんや家族とこんなにも距離が近いのか!距離が近いと言うことは、心理学的に、それだけ患者と家族の悩みや苦しみを強く感じ、それだけ大変と言うことなのだ。特に実践編では時代のトピックを扱っている。家族内に、乳児、病児、救急時、精神疾患の家族、高齢者の家族、末期患者の家族がいる時、どのようにすれば良いのかなどが詳細に記載されている。他の家族のメンバーも患者も、犠牲にならぬよう、家族のメンバーのパワーや適応能力、役割分担、健康状態、病気や患者への意識レベルなどを評価するという視点に驚かされた。言われてみると当然なのだが、その評価に応じてこうすれば良い、と実に具体的に書いている。この本を患者が読むことはないかも知れないが、患者家族として読むなら、看護師がどのようにその家族を支えようとしているか、家族にどのように協力して欲しいと思っているかがよく分かるだろう。具体的なので、この本を読むと、家族で上記のような問題が起きたら、自分も何かしら貢献できそうな気持ちになってくる。
この本は、日本の家族看護界の代表者、鈴木和子氏・渡辺裕子氏によって書かれた、日本人向けの家族看護の「教科書」というべき基本の一冊だと思います。日本の文化や家族看護の歴史もわかりやすくまとめてあります。偏りなく、全体的で、介入方法は安全でやわらかい、といった感想です。最近家族看護の門を叩いた私にとっては、最も頭になじみやすい本でした。初心者がまず家族看護の世界全体を見渡す時に、最適な本だと思います。 さらに特記すべきポイントは、ジェットコースターモデルや二重ABCXモデルといった、ハテナ?な理論やモデルがわかりやすくまとめてあるところです。この本で家族看護学《概論》を知り、次のステップとして自分に合った《各論》本を見つけて深めていくと良いのではないでしょうか。その後は、各論で頭が混乱したときに読むと、初心に戻り、安心して頑張ろうと思えます。ちょっと真面目だけど、どの理論にも偏らない、ビギナーに温かい本だと思います。