無業社会 働くことができない若者たちの未来 (朝日新書) の感想

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タイトル無業社会 働くことができない若者たちの未来 (朝日新書)
発売日2014-06-13
製作者工藤 啓
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022735652
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

若年無業者(15〜39歳で学校に通わず仕事もしてない)の数は200万人を超える。これは15〜39歳の16人に1人にあたる。最も多い理由は「病気・けがのため」で、怠惰と指摘されそうな「急いで仕事につく必要がない」「仕事をする自信がない」といった理由が占める割合は高くないという。そして、そのような若年無業者は、だいたい以下の3つの類型のどれかに当てはまり、誰にでも起こりえる事象であると、著者達は述べている。

「働きたいけど働けない」
「働き続けることができない」
「もう何からはじめたらいいのかわからない」

2333人のデータと無業状態に陥った人たちの例から、無業者の実態と背景について解説した本。若年就労支援を行うNPOの理事長と社会学者の共著となっている。

無業は就業のための何らかのトレーニングを受けているケースもあるから、厳密には全てがイコール「ニート」ではない。支援機関に訪れた人たちの70%は「どうしたらいいのか」すらわからず、無業が3年を超える人ではその率が90%を超える。その一方で、考えすぎたり、真面目すぎる傾向も見られるという。支援を求めるというところまでたどりつけない人もいる。そして、無業状態が長期化したり、高い年齢になるほど、抜け出すのは難しくなる。同じ年齢の若者全体と比べて中卒と高卒の割合が高いが、求職型では高学歴者が多くなる。

日本の雇用システムとの関係も指摘されている。企業間の人材流動性が低いため、一度その枠からこぼれてしまうとやり直すことが難しい。学校を卒業したあとの人材育成は企業が担うことが多く、無業になるとスキルアップも難しくなる。また、景気低迷を経て正社員になる壁は高くなり、就職ができても「ブラック企業」で使い捨てられるケースが出てきた。しかし、社会福祉は若年層に手薄で、支援やセーフティネットの仕組みも十分ではなかった。

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